2021 Fiscal Year Research-status Report
認知機能形成に関与する遺伝子sez6の選択的スプライシング制御の役割
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19K17064
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
日高 千晴 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (10783673)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Sez6 / スプライスバリアント / 膜タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、神経細胞は選択的スプライシングにより一つの遺伝子から部分的に構造の異なるスプライスバリアントを生み出し、タンパク質の多様性を獲得するとともに神経回路網の柔軟性を維持していることが明らかとなってきている。本研究で着目するSez6は神経回路網のつなぎ目に当たる神経細胞間結合構造シナプスの形成や認知機能の形成に関与していると考えられている脳に特異的に発現する膜タンパク質である。しかしながら、Sez6の発現がどのように神経回路網形成に関与するのかはまだよくわかっていない。そこで本研究ではSez6の各スプライスバリアントに着目して、Sez6スプライスバリアントの脳内発現がどのような生理的意義を持っているのかを考察する。 具体的には初年度、昨年度は各Sez6スプライスバリアントが実際のマウス脳内でどのような時空間的コントロールを受けているのかをRNAレベルで検証した。Sez6のスプライスバリアントは膜型が2種類と分泌型が1種類の3種類であるが、分泌型スプライスバリアントの時空間的制御は膜型とは異なることが明らかとなった。さらに、各Sez6スプライスバリアントの発現が神経細胞の形態形成に与える影響を検証するための各Sez6スプライスバリアント発現ベクターの作成を行った。 本年度は作成した発現ベクターを実際に培養細胞に遺伝子導入し、各Sez6スプライスバリアントを発現しているのかを確認するとともに、この作成した各Sez6発現ベクターを大脳皮質初代神経培養細胞へ遺伝子導入し、スプライスバリアントの違いが神経細胞の形態形成とシナプス形成における影響を検証した。各Sez6スプライスバリアントの発現と培養神経細胞への遺伝子導入も可能であることは確認できたが、培養日数が進みより分化した培養神経細胞では特定の神経細胞に選択的な遺伝子導入の効率が大きく低下したため、形態解析まで着手できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は改修工事による実験室の閉鎖・引越しが重なったことで想定以上に研究計画が実施できない期間ができてしまったため。さらに加えて、遺伝子導入実験において培養日数が進みより分化の進んだ神経細胞への遺伝子導入効率が悪く、遺伝子導入条件の検討にかなり時間を取られてしまった。そのため、研究の延長申請を行い、来年度に培養神経細胞への遺伝子導入実験と形態解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した各Sez6スプライスバリアント発現ベクターを神経細胞や脳に遺伝子導入する方法を改良し、各スプライスバリアントの差異が神経細胞の形態形成にどのように影響するのか検証する。
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Causes of Carryover |
次年度へ研究期間延長申請をおこなったため、本年度予算の一部を繰り越すこととした。繰り越した本年度予算は来年度参加予定の学会への旅費と実験試薬購入費に使用する。
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Research Products
(1 results)