2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of influence of gut microbiota in early development on cognitive characteristics
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19K17072
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
渡邉 己弦 東海大学, 医学部, 助教 (60794120)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 無菌マウス / 腸内細菌叢 / 脳腸相関 / 行動特性 / 認知特性 / 行動解析 / 神経発達症 / 腸内細菌叢-腸管-脳軸 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、腸内細菌叢が宿主の成長後のストレス反応に影響を及ぼすことが明らかになってきた。我々は、腸内細菌叢が宿主のストレス反応性だけでなく、精神活動や行動に影響を及ぼすと考え、無菌マウスと常在菌叢マウス用いて行動解析を行った。無菌マウスでは、常在菌叢マウスと比較すると、活動性と不安症状が高まることを解明した。多動性や不安症状などの行動特性は、神経発達症に特徴的な所見であり、腸内細菌叢と神経発達症の行動特性との関係が示唆された。以上の点を踏まえ、神経発達症のもう1つの特徴である認知特性でも、発達早期の腸内細菌叢が影響を及ぼすという仮説を立てた。本研究の目的は、神経発達症において、行動特性だけでなく認知特性にも腸内細菌叢が影響しているかについて無菌マウスを用いて解明する点にある。 本研究の中心課題は、発達早期の腸内細菌叢による宿主の認知特性への影響の解明である。そのためには、認知特性と行動特性 (攻撃性と社会的行動) の相関関係を解析し、認知特性の特徴を行動特性との関係で明らかにする必要がある。しかし、認知特性の行動解析については、無菌環境下での行動解析の実験系が確立しているとは言い難い。当該年度は無菌環境下での認知特性の行動解析の実験系を確立するために予備実験を繰り返した。そして、無菌環境を維持しながら認知特性の行動解析を行う環境を整備し、行動解析で使用する無菌マウスの繁殖・飼育を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無菌環境下で認知特性の行動観察を行う環境を整備し実験系の確立を進めた。そして、社会性や認知特性の相関について行動解析実験の準備をおおむね順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
無菌環境下で予備実験を繰り返し認知特性の行動観察実験系を確立するとともに、今後は本実験を進め、無菌環境下で無菌マウス群と常在腸内細菌叢群の認知特性について行動解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
物品費用が、当初の見積もりよりも低額であったため繰越金が発生した。次年度助成金はマウス認知特性観察のためのY字迷路費用と無菌マウス飼育のための費用に使用することを計画している。
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Research Products
(5 results)