2019 Fiscal Year Research-status Report
Secondary carnitine deficiency in severely malnourished patients with eating disorders
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19K17087
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今枝 美穂 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00813651)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経性やせ症 / 摂食障害 / カルニチン欠乏 / 肝障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経性やせ症(AN)は女性に好発する難治性疾患であり、未だ十分な病態理解や標準的な治療法の開発には至っていない。再栄養に伴って発生する肝障害がしばしば臨床的な問題となるが、その病態理解は未だ不十分である。 低栄養で枯渇しがちなカルニチンの欠乏により肝障害が生じるとの知見があり、低体重が続くAN患者においてもカルニチン欠乏と肝機能への影響が想定される。本研究ではAN患者におけるカルニチン欠乏の有無を同定し、そのリスク因子を再栄養開始からの前向き研究により探索する。さらにカルニチン欠乏と肝障害や体重増加不良等、治療経過中に生じるイベントとの関連を明確化し、肝障害発生の病態理解と新規治療法の導入に役立てることを目指す。 本年度は患者群(AN群)29名、健常群(C群)12名に関して、凍結血漿検体(両群)から血中遊離カルニチン濃度を測定し、群間比較を行なった。更にAN群では採血時のBMI、血液生化学データ、臨床経過等について調査し、統計的に解析しカルニチン欠乏と関連する因子を探索した。 その結果、重度の低体重を示すAN患者では健常群に比して血中遊離カルニチンの低下がみられた。AN患者の血中遊離カルニチン低下は、低アルブミン血症と関連した。また血中遊離カルニチンの低下は、肝障害の発生・体重増加不良・体重増加開始の遅れなど、再栄養療法中のネガティブイベントとの関連は認めなかった。この結果については国内の専門学会にて発表を行っている(第23回日本摂食障害学会学術集会, 2019)。 まだサンプル数は不十分であり、今回の解析では患者群と健常群のサンプル数の差が大きかったため、次年度は引き続きサンプル数を増やしていく。更に体組成分析器による体重、体組成の変化に関するデータも増やしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していたサンプリング数(特に健常群)に達しなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
患者群、健常者群ともにサンプリングを進め、データの追加を行う予定である。
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Causes of Carryover |
インボディを予算以下で購入することができたため。
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