2020 Fiscal Year Research-status Report
Secondary carnitine deficiency in severely malnourished patients with eating disorders
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19K17087
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今枝 美穂 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00813651)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経性やせ症 / 摂食障害 / カルニチン欠乏 / 肝障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経性やせ症(AN)は女性に好発する難治性疾患であり、未だ十分な病態理解や標準的な治療法の開発には至っていない。再栄養療法に伴って発生する肝障害がしばしば臨床的な問題となるが、その病態理解も未だ不十分である。 低栄養で枯渇しがちなカルニチンの欠乏により肝障害が生じるとの知見があり、低体重が続くAN患者においてもカルニチン欠乏と肝機能への影響が想定される。本研究ではAN患者におけるカルニチン欠乏の有無を同定し、再栄養開始からの臨床データを診療録から取得し(後ろ向き・前向き)、そのリスク因子を探索し、肝障害発生の病態理解と新規治療法の導入に役立てることを目指す。 今年度は前年度に引き続いてサンプリングを継続し、新たに健常群(C群)11名、患者群(AN群)11名の臨床データを取得した。また、すでに採取済みの凍結血漿検体(両群)を加えてC群35名、AN群56名の血中遊離カルニチン値を測定し、次年度に向けて解析を開始したところである。前年度の予備的解析では「重度の低体重を示すAN患者では健常群に比して血中遊離カルニチン値の低下が見られる」「AN患者の血中遊離カルニチン値低下は、低アルブミン血症と関連した」という結果を得ているが、n数を増やした解析でも同様の結果が得られるかを調査する。 体組成分析器による体重、体組成の変化に関するデータは現在、C群11名、AN群4名とまだサンプル数が不十分であり、次年度は最終年度ではあるが、可能な限りサンプリングも継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生体電気インピーダンス法による体組成分析を行うための前向き研究のサンプリングが遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であり、得られたデータの解析と研究発表、論文作成を行う予定である。 体組成分析を行うための前向き研究のサンプリングは継続して行っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で学会が中止となり、出張費が未使用となった。また、コロナ禍でサンプリングも控えざるを得ない状況が続き、予定していたサンプリング数に達せず、被験者への謝礼費用が未使用となったため、次年度使用が生じた。これらは次年度の予算と合わせて成果発表のための学会への出張費、論文作成のための英文校正費、論文投稿費用等に充てる予定である。
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