2019 Fiscal Year Annual Research Report
ASDの前頭前野における興奮抑制機能および神経可塑性の解明:TMS-EEG研究
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19K17096
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
増田 史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (10647712)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 経頭蓋磁気刺激法 / 事象関連電位 / 神経可塑性 / TMS / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(Autism spectrum disorder: ASD)は社会性の障害や興味や行動の偏りを特徴とした発達障害の一つであり、その症状の多様性に着目されているものの、詳細な病態は不明である。本研究は、近年開発された経頭蓋磁気刺激法(transcranial magnetic stimulation: TMS)と高精度脳波計測装置 (high-spec electroencephalography: EEG)を組み合わせた、非侵襲的に刺激入力と神経生理反応を同時に計測できる実験系を用いて、ASDの病態仮説である前頭前野の「興奮・抑制バランス」および「神経可塑性」の障害を規定する神経生理学的要因を、ASDの症状プロフィール毎に特定することを目的とした。 被験者としてASD12名、健常者19名を組み入れた。前頭前野の同定にMRIガイド下ニューロナビゲーションシステムを用いるため、全被験者に対してMRI撮像を行った。また全被験者に対して、日本語版自閉症スペクトラム指数(Autism-Spectrum Quotient: AQ) 、抑うつ気分、不安、強迫などの精神症状の評価、及び前頭葉機能検査をはじめとした包括的神経心理検査を行った。ASD被験者群に対してはADOS-2により ASD特性の詳細な質的評価・重症度評価を行った。最後に前頭前野のコリン作動性・γアミノ酪酸(GABA)作動性・グルタミン酸作動性神経生理機能、及び神経可塑性の指標となる連合対刺激法(PAS)前後の誘発電位をTMS-EEG同時計測法を用いて計測した。
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