2019 Fiscal Year Research-status Report
せん妄に対する薬物・非薬物療法の有用性および発症予防の検討:ネットワークメタ解析
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19K17099
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
佐久間 健二 藤田医科大学, 医学部, 助教 (70838317)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 術後せん妄 / ラメルテオン / レンボレキサント / 発症予防 / 非劣性試験 / 無作為化割付試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画では、ネットワークメタ解析を用いて、せん妄に対する薬物および非薬物療法の有効性と安全性およびせん妄の発症予防を検討することを目的としていた。しかしながら、同様の趣旨のネットワークメタ解析 (Wu YC 2019)が科研費の取得後に発表されたため、研究計画を変更することとした。 最新のネットワークメタ解析 (Wu YC 2019) では、不眠症の治療薬であるラメルテオンが最もリスク・ベネフィットバランスに優れていると報告されている。また、スボレキサントはサンプル不足によりせん妄の発症予防に関して、プラセボと有意差が出なかったと考える。 令和2年1月、スボレキサントに次いで、本邦で2番目となる、新しいオレキシン受容体拮抗薬であるレンボレキサントの使用が承認された。レンボレキサントは、プラセボ比較の第三相企業治験において、不眠症への良好な有効性と安全性が示されている。 しかしながら、レンボキサントのせん妄発症予防に関する研究は未だ世界中で一つもない。また、ラメルテオンとスボレキサントに関する先行研究(Hatta K 2014、Hatta K 2017)は不眠を有する患者を対象としていないので、これらの薬のせん妄に対する使用は保険適応外となる。そこで、新しく計画した本研究では、不眠を訴え、かつ、せん妄の発症リスクを有する患者を対象として、レンボレキサント(介入群)とラメルテオン(対照群)のせん妄に対する発症予防効果を比較することにより、実臨床におけるレンボレキサントのせん妄発症予防効果を検証する。 現在までに申請者は、本研究の研究計画書を作成し、IRBへ提出を行った。2020年度、レンボレキサントの発売直後に、本研究のリクルートを開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画を変更し、新しく立案した研究では、不眠を訴え、かつ、せん妄の発症リスクを有する患者を対象として、レンボレキサント(介入群)とラメルテオン(対照群)のせん妄に対する発症予防効果を比較することにより、実臨床におけるレンボレキサントのせん妄発症予防効果を検証することとした。現在までに申請者は、本研究の研究計画書を作成し、IRBへの提出を完了している。計画上、合計198名の患者のエントリーを目標としており、今後、レンボレキサントの発売直後に、本研究のリクルートを開始すれば、十分に2021年度中に研究を遂行できると考える。したがって、概ね順調であると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
レンボレキサントの発売直後より研究を開始し、合計198名のエントリーをめざす。患者のフォローアップを失念することなく、注意深く研究を遂行していく。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、ネットワークメタ解析を用いて、せん妄に対する薬物および非薬物療法の有効性と安全性およびせん妄の発症予防を検討することを目的としていた。しかしながら、同様の趣旨のネットワークメタ解析 (Wu YC 2019)が科研費の取得後に発表されたため、研究計画を変更することとなり、2019年度は新しい研究計画を行ったため、助成金を使用しなかった。新しく計画した、不眠を伴う大腿骨近位部骨折手術患者に対するレンボレキサントの術後せん妄発症予防:ラメルテオンを比較薬とした二重盲検無作為化比較試験(非劣性試験)に必要な経費として使用をする(ラメルテオンやレンボレキサントの購入費、プラセボ化に使用するカプセルの購入費、解析ソフトやパソコンの購入費等)。
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