2021 Fiscal Year Research-status Report
うつ病患者における毛髪ステロイドホルモンバイオマーカーの探索と妥当性の検討
Project/Area Number |
19K17102
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
土嶺 章子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第三部, 研究生 (60649044)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストレス / ステロイド / 抑うつ症状 / 毛髪 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒト毛髪からステロイドを測定し、ストレスから引き起こされるうつ病をはじめとした精神疾患のバイオマーカーを探索することを目的としている。 2021年度は前年度に引き続き被験者リクルートを中心に行なった。新たに取集した健常者サンプル(N=15)について、ステロイドの抽出を行い、うつ病やストレスと関連が報告されている毛髪中テストステロン濃度の測定を行なった。ストレス自己診断評価尺度(Hopkins Symptom Checklist; HSCL)を用いて心身症状、強迫症状、対人関係過敏、不安症状、抑うつ症状、ストレス合計を算出し、毛髪中テストステロン濃度との相関するかどうか確認した。その結果、心身症状(p=0.73)、強迫症状(p=0.30)、対人関係過敏(p=0.24)、不安症状(p=0.35)、抑うつ症状(p=0.12)、ストレス合計(p=0.28)と、いずれのスコアにも有意な相関は認められなかった。今回は健常者のみの解析を行なったが、ストレス度の高い患者群で同様の解析を行うことで、よりストレスと関連のあるスレロイド群が観察できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染予防のため研究所へ来所して実験をすることが難しくなり、特に上半期は予定していたステロイドの測定やデータ整理などができなかった。また、共同研究として進めている他の実験業務が重なり本研究のデータ収集があまりできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度もコロナウイルスの感染対策を徹底した上で、引き続き被験者さんのリクルートを行なっていく。サンプルがある程度収集できた時点で、ステロイドの抽出を行なっていき、コルチゾール、DHEA、エストロゲンなど他のステロイドの測定を進めていく予定である。同時に、心理検査の結果を用いた解析や疾患別の解析など、実験室実験が出来ない状況が続いた場合でも研究成果を出せるように調整していく。
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Causes of Carryover |
2021年の特に上半期は新型コロナウイルスの蔓延と感染予防によって、予定していた実験業務を中止せざるを得なかったため、次年度使用額829,667円が生じた。最終年度となる令和4年度は、新型コロナウイルスの状況を鑑みつつ可能な範囲で実験室実験を実施すると共に、状況に応じた分析・データ解析の選択をすることで研究成果を出せるよう科研費を使用する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Association between vascular endothelial growth factor-mediated blood-brain barrier dysfunction and stress-induced depression2022
Author(s)
Hitomi Matsuno, Shoko Tsuchimine, Kazunori O'Hashi, Kazuhisa Sakai, Kotaro Hattori, Shinsuke Hidese, Shingo Nakajima, Shuichi Chiba, Aya Yoshimura, Noriko Fukuzato, Mayumi Kando, Megumi Tatsumi Shintaro Ogawa, Noritaka Ichinohe, Hiroshi Kunugi, and Kazuhiro Sohya
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Journal Title
Molecular Psychiatry
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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