2022 Fiscal Year Research-status Report
怒り・攻撃性がcomplex PTSD症状に及ぼす影響に関する研究
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19K17121
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
千葉 比呂美 久留米大学, 医学部, 助教 (60648137)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 怒り / 攻撃性 / complex PTSD |
Outline of Annual Research Achievements |
複雑性PTSD(ICD-11での正式名称はcomplex Posttraumatic stress disorder)と怒り・攻撃性との関連について研究を進めてきた。 1) 当該年度は複雑性PTSDに関して,共著者として事例報告作成に携わった(小俵 京子,石田 哲也,千葉 比呂美,江口 寛,佐藤 守,大江 美佐里,小曽根 基裕:女優の自殺を契機に症状が悪化した複雑性PTSDの1例 ―治療関係再検討の果たす役割―.最新精神医学 27: 383-390, 2022)。PTSDおよび複雑性PTSDを含むトラウマ関連疾患の治療において,良好な治療関係の維持は重要であり,本研究課題である怒りや攻撃性は複雑性PTSDにおける感情制御の困難性,否定的な自己概念,対人関係上の困難性と関連していると考えられた。臨床的な視点で怒り・攻撃性がどのように複雑性PTSDに影響を与えるかを改めて確認する機会となかった。 2) 複雑性PTSDの治療としてもエビデンスを持つ認知処理療法に関して,その専門用語の問題についてまとめ,専門用語を用いない形での「認知処理療法応援マンガ」を紹介する演題を作成し共同演者として学会発表を行った(大江 美佐里、石田 哲也、松尾 菜津美、小林 雄大、千葉 比呂美、松岡 美智子、内野 俊郎、小曽根 基裕:PTSD に対する認知処理療法における専門用語の問題とその対応 ―「認知処理療法応援マンガ」の考案―. 第41回日本社会精神医学会 令和5年3月16日、17日(ポスター発表(Web),シンポジウム等のみ兵庫県神戸市開催))。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに複雑性PTSD(ICD-11 ではcomplex PTSD)に関する論考について,論文発表や学会発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られてきた研究成果と,その重要性について周知・広報する手段を検討して,実施していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究実績としては順調に成果を挙げている。新型コロナウイルス感染症の影響で国内学会,国際学会共にweb開催となり,旅費支出がなかったことで次年度使用額が生じた。研究実績の周知のための活動に重点を置いて使用する計画である。
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Research Products
(2 results)