2019 Fiscal Year Research-status Report
呼吸停止下CESTイメージング法の確立:肝機能評価の臨床応用
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19K17144
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
徳永 千晶 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (90645574)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、magnetic resonance imaging (MRI) を利用した分子イメージングであるchemical exchange saturation transfer (CEST) イメージングを呼吸停止下で撮像可能にするシークエンスを開発し、画像的肝機能評価におけるCESTイメージングの有用性の確立を目指すことが目的である。 まず、CESTイメージングの処理・解析の環境構築を行った。次に人体への応用を目標とし、ファントムで呼吸停止下でAPTイメージングが実現可能か検討を行った。CESTイメージングは検出対象物質の濃度、pH、温度に依存するため、それぞれを人体と同等の状態に調整したファントムを作成する必要がある。今回は、リン酸緩衝液を用いてアルブミンの濃度とpHを変化させたファントムを作成し実験を行った。また、実験の際には、ファントムの温度を体温に近い状態まで上昇させた。また、グリコーゲンについてもglycoCESTイメージングにおいて同様の実験を試みた。 結果は、APTイメージングにおいては最適なシークエンスを調整することができたが、glycoCESTでは十分な結果が得られなかった。検出対象であるグリコーゲンのOH基のプロトンは、バルク水のプロトンと非常に近い共鳴周波数(0.5~1.0 ppm) のため、より静磁場の不均一に敏感である。そのため、APTと同様のシークエンスでは撮像に不適切な可能性がある。今後は、撮像シークエンスおよび画像解析について先行研究を参考に再調整する。また、ファントムの濃度なども検討して再度ファントムを作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
APTイメージングのパルスシークエンスの最適化を行うことができた。この条件をもとにグリコーゲンを用いたファントムでglycoCESTのシークエンス最適化を行う予定であったが、ファントムのデータをうまく取得することができなかった。ファントムで良好な結果が得られていないため、人体への応用が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
卵白アルブミンで作成したファントム実験をもとにglycoCESTのシークエンス最適化を行ったが、共鳴周波数も全く異なる物質をターゲットにしているため、ファントムの濃度の変更なども考慮して再度ファントムを作成する。先行研究を参考にシークエンスや画像処理方法についても再調整を行う。
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Causes of Carryover |
ファントム研究の結果報告を国際学会にエントリーしたが、不採択であった。また、世界的なCOVID-19の影響のため、学会参加がなくなったことにより、予算額より使用額が大幅に異なったと考える。
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