2023 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸停止下CESTイメージング法の確立:肝機能評価の臨床応用
Project/Area Number |
19K17144
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
徳永 千晶 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (90645574)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 磁気共鳴医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
APTイメージングおよびglycoCESTイメージングは、約4分の撮像時間が必要なCESTイメージングに加え、磁場不均一補正用のB0マップを約1分かけて撮像しており、合計約5分程度の時間を有していた。従来のCESTイメージングの問題点は撮像時間が長いことと、CESTイメージングとB0マップを別々に取得することによる動きの影響が挙げられる。そこで、CESTイメージングとB0マップを同時に取得するTSE-Dixon法を用いたシークエンスを考案した。 TSE-Dixon法を用いることで撮像時間を約1分のシークエンスを作成することができた。卵白アルブミンおよびリン酸緩衝液を用いて、TSE-Dixon法のAPTイメージングの濃度とpH依存性を評価した。考案したTSE-Dixon法のAPT画像の信号強度は、従来法のAPT画像の信号強度と同程度であり、さらに濃度依存性およびpH依存性も同等であることを証明した。また、約20秒のAPTイメージングのシークエンスを作成し呼吸停止によるAPTイメージングの取得が可能になった。この呼吸停止のAPTイメージングの妥当性をファントムにて検証した。さらに人体を模擬したファントムを用いて、静磁場や送信電磁波の不均一を改善するシークエンスを検討し、臨床応用を開始した。人体では、ファントムよりも静磁場や送信電磁波の不均一に敏感であることと呼吸停止が不安定な場合もあり、十分な画質を担保することが困難であった。 glycoCESTイメージングに関しては、昨年度までと同様にファントム実験を試み、撮像条件の検討を行ったが、検出対象であるグリコーゲンのOH基プロトンは、バルク水のプロトンと非常に近い共鳴周波数(1 ppm)のため、より静磁場の不均一に敏感であり、十分な結果が得られなかった。 ファントムで行った検討をデータにまとめ、論文を作成し投稿した。
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