2021 Fiscal Year Annual Research Report
超解像顕微鏡をもちいた重粒子線クラスター損傷の修復動態予測アルゴリズム開発
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19K17162
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
尾池 貴洋 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10643471)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 炭素イオン線 |
Outline of Annual Research Achievements |
炭素イオン線治療はX線抵抗性腫瘍にも高い抗腫瘍効果を示す有望な放射線治療法である。炭素イオン線の高い抗腫瘍効果は「クラスター損傷」の修復困難性に依る。クラスター損傷とはDNA上に密集した二本鎖切断、一本鎖切断、塩基損傷 の集合を指す。これまでの実験手法の検出限界から、クラスター損傷部位における各種DNA損傷の修復動態は未解明である。本研究の目的は、超解像顕微鏡DeltaVision OMXをもちいて正常酸素または低酸素環境下で多様な線エネルギー付与 (LET)の炭素イオン線によって誘導されるクラスター損傷中の各種DNA損傷の修復動態を高精度解析し、LETと酸素状態からクラスター損傷の誘導と修復動態を予測するアルゴリズムを開発することである。過去2年度分の実績報告書にある通り、COVID-19 pandemic発生前の段階において正常酸素環境下で多様なLETの炭素イオン線によって誘導されるクラスター損傷中の二本鎖切断の高精度3次元データは取得を完了した。しかし、COVID-19感染拡大に伴い、それ以降の実験を遂行することが不能となった。具体的には、第一に申請者または近しい同僚がCOVID-19診療に動員されることにより研究時間が削減された。第二に2021年度初頭に超解像顕微鏡が故障し修理に必要なエンジニアが日本へ入国できないという事態が発生した。後者は現在まで続いており改善の見通しが立たない。以上から、現在までの本研究課題の成果を、副次的初見も含めて全て学術集会や学術誌に発表し社会に還元することに注力する方針へ変更し、それを遂行し(別欄参照)、本研究課題を終了させた。
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Research Products
(3 results)