2020 Fiscal Year Annual Research Report
クマリンを基盤とした炭酸脱水酵素IX標的がんセラノスティクス用薬剤の開発
Project/Area Number |
19K17166
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯國 慎平 京都大学, 薬学研究科, 助教 (70837731)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 炭酸脱水酵素-IX / イメージング / セラノスティクス / 固形腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
固形腫瘍の低酸素領域に高く発現することが知られている炭酸脱水酵素IX(CA-IX)を標的としたがんセラノスティクス薬剤の開発を計画した。2019年度に得られた結果より、クマリン骨格の安定性に問題があることが示唆されたため、新規CA-IXリガンドとして以前に我々が見出したイミダゾチアジアゾールスルホンアミド(IS)をクマリンの代わりに用いることとした。2019年度にISを基盤とした111In錯体である[111In]In-DO3A-IS1がCA-IX標的SPECTイメージングプローブとして有用であることを示した。2020年度は68Ga錯体である[68Ga]Ga-DO3A-IS1および99mTc錯体である[99mTc]Tc-ISB2を設計・合成し、それらのCA-IXイメージングプローブとしての有用性を評価した。また、[68Ga]Ga-DO3A-IS1に関しては、68Gaと比較して半減期が長く扱いやすい67Gaにより標識した[67Ga]Ga-DO3A-IS1を合成し、それを用いて基礎的評価を行った。CA-IX高発現(HT-29)細胞および低発現(MDA-MB-231)細胞に対する結合実験を行ったところ、[67Ga]Ga-DO3A-IS1および[99mTc]Tc-ISB2はHT-29細胞に対して有意に高く結合した。また,HT-29腫瘍移植モデルマウスを用いた体内放射能分布実験では、[67Ga]Ga-DO3A-IS1および[99mTc]Tc-ISB2は良好な腫瘍集積を示した。しかし[68Ga]Ga-DO3A-IS1を用いたPETでは、正常組織への高い放射能集積の影響で腫瘍を明瞭に描出するには至らなかった。以上より、ISを基盤とした68Ga標識PETプローブの開発には体内動態を改善するための更なる構造最適化の必要性が示唆された。
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Research Products
(4 results)