2019 Fiscal Year Research-status Report
非剛体レジストレーションの不確かさが積算線量に及ぼす影響の評価と判定基準の確立
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19K17167
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮部 結城 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (60522505)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 治療計画 / 非剛体レジストレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
非剛体レジストレーション(DIR)の幾何学的不確かさと線量誤差を関連付けて積算線量分布の不確実性を評価するため、治療計画装置・計画補助装置から出力される変形ベクトル場(DVF)データの読み込み、解析プログラムを作成した。また、異なるDIRアルゴリズムにより算出されたDVFや被変形画像と目標画像を入れ替えた場合のDVFなどを比較し、幾何学的不確かさを評価し、DVFを基に変形される線量分布の変動を算出評価するプログラムを開発した。DVFの比較および線量分布の変動の結果を可視化し、不確かさの大きな領域を簡便に視覚評価可能にした。 評価解析のため、肺・肝臓・膵臓癌の4D-CTと各呼吸性位相で算出した線量分布、頭頚部癌IMRTの治療計画データ、前立腺癌IMRTの治療計画データと治療中のCBCT画像の症例データを収集した。 強度変調回転照射による肺癌への体感部定位放射線治療(VMAT-SBRT)の4D-CTを用いた4次元線量分布計算において、DIRアルゴリズムの違いによる積算線量算出への影響を10症例で評価した結果、呼気-吸気間で標的重心位置の移動量算出において画像信号強度に基づくIntensity-based DIRでは誤差平均7.1±6.6mm、輪郭情報に基づくContour-based DIRでは2.1±1.6mm、両者を用いるHybrid-DIRでは5.1±4.6mmであり、標的平均線量としてそれぞれ1.25±1.24%、0.63±0.62%、1.06±1.08%の変動があることを示した。視覚評価では標的外部の肺野や胸壁においてより大きな変動が生じており、今後、開発した解析評価プログラムを用いて定量的な分析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DVHデータ読み込み、解析プログラム、DVF不確かさに起因する積算線量分布の不確実性の可視化、線量変動の解析プログラムの開発、評価解析のための症例データ収集は計画通りに実施できた。 データ蓄積を行うためのデータベースの構築は、想定していたワークステーションの構成部品の欠品や納期の遅れもあり未達成だが、代わりに症例データの解析は当初計画より先行して実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
早急に必要機器を揃えて解析結果収集のためのデータベースを構築する。同時に症例データの収集を行い、データベース構築、検証後、すぐにデータの入力、解析が行えるように作業を進める。また、すでに収集してある症例データの解析を先行して進め、結果をまとめていく。
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Causes of Carryover |
データベースサーバとして検討していた構成部品が欠品のため購入できなかったこと、Travel Grantを受賞したため計画していた国際学会の旅費・参加費の支出が不要となったこと、により実支出額が計画より下回り次年度使用額が生じた。データベースサーバは構成を再検討し早急に導入する。 2020年度は本課題の最終年度でもあり、新型コロナウィルスの影響もあり開催が不確定なところはあるが、放射線治療分野における国内外の主要学会に参加し成果発表を行い、多くのコメントをもらいそれを基に改良することで、より実用的で臨床上有用な技術へと発展させる。
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Research Products
(1 results)