2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of cancer cell dynamics after proton irradiation using real-time imaging
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19K17175
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
橋本 眞吾 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90803510)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 陽子線 / X線 / 浸潤能 / 遊走能 / スクラッチ / 増感効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はコロナウィルス感染拡大防止のため、施設間移動が制限されたこともあり、主にX線による放射線照射の生物効果を明らかにするべく実験を行った。主な研究内容を以下に示す。 過去に報告があるギメラシルを用いて増感効果にフォーカスを当て研究を行った。複数の培養細胞(EMT6細胞、V79細胞、HSG細胞)を用いて、ギメラシルを濃度別(30mM, 100mM, 300mM, 1000mM, 2000mM)に投与し、X線を4Gy,8Gy照射し、複数回検討を行った。結果として実施した実験条件ではcontrol群と投与群で増感効果を明らかにすることはできず、今後、投与条件を変えて実施していく予定をしている。 またコロナウィルス感染拡大が落ち着き、施設間移動が容易に可能になった場合に備えて新たな実験系の構築を準備した。名古屋陽子線治療センターで瞬間的に大線量を照射するflash照射実験が可能になるとの連絡をうけ、大線量照射に耐えられる細胞塊spheroidを作成することにした。当施設が保有するEMT6細胞、V79細胞、HSG細胞を用いて、spheroid作成用ウェルプレート使用してspheroidを作成し、その培養条件や細胞塊の直径を確認した。 施設間移動が制限されていたため、実験に並行して間質性肺炎に合併した肺がん患者に対する陽子線治療成績を本研究につながる生物学的な考察も含めてまとめ現在投稿中である。通常であれば間質性肺炎を持つ患者に対する放射線治療は有害事象が発生するケースが多いが陽子線治療をされた場合には大きな有害事象なく安全に治療できていた。陽子線の物理的特性だけでなく生物学的な効果も関与している可能性があり興味深い結果であった。この臨床的な疑問を明らかにすべく次の実験に活かしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウィルス感染拡大防止のため職場から不要不急な外出の自粛要請をうけ、研究施設間を移動し実験を継続することが難しくなった。また勤務機関がコロナ患者受け入れ施設のため、当直業務の激増などの影響があったことにより、結果的に通常の臨床業務に追われることになった。また年度末にセルカウンターの故障なども重なり、研究を当初の予定通り遂行することが困難になった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルス感染症の影響が留まることを知らず、今後も施設間の移動が制限される可能性が高いため、主たる勤務地で可能な実験系を継続していく。薬物併用、細胞接着因子の照射後の発現状況などについても実験系の検討をおこない施設間移動が可能となった際にスムーズに実施できるよう準備していきたい。しかしながら、今後もコロナウィルス感染拡大の影響が広がるようであれば臨床業務が増加し、研究内容の抜根的な変更を検討せざるを得ない。
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Causes of Carryover |
研究実施計画が遅れていることにより研究予定を変更したため、次年度使用額が生じた。研究を遂行するための物品購入や情報収集のための学会参加、論文投稿費などにあてる予定である。
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Research Products
(1 results)