2021 Fiscal Year Research-status Report
脳微細構造を多角的に定量する次世代MRIによる多発性硬化症の新規診断法の構築
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19K17177
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤田 翔平 順天堂大学, 医学部, 助手 (60827244)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 磁気共鳴画像法 / イメージング / 多発性硬化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性硬化症(MS)患者では、日常臨床で一般的に撮像される通常の脳MRIでは異常を検 出できない脳領域(normal-appearing brain tissue, NABT)の脳微細組織 に障害が生じており、 運動機能や高次機能に影響する可能性が高いと考えられている。本研究では、脳微細組織を評価する最新のMRI撮像法であるneurite orientation dispersion and density imaging(NODDI)と 3D quantitative synthetic MRIで得られる複数の定量値を統合的に解析する新規アプローチを提案 し、MSに特異的なNABTの障害分布・程度に関して包括的な評価を行い、MSの病態を反映した画像的特徴を解明していくことを目的としている。2019年度は、健 常者および多発性硬化症患者にて順天堂大学医学部附属病院を受診するMSやNMOが疑われている患者ないし既に診断されている患者、及びMSとの鑑別が問題とな る症状を呈する患者に対し、従来のMRIに 加えて、NODDIと3D quantitative synthetic MRIの撮像を行い、患者データの収集を開始した。2020年度には初期検討にて多発性硬 化症患者においてプラークの検出能評価を行ったところ、conventional MRIとほぼ同等の検出能を維持しつつ、撮像時間を約半分に短縮することができた(Fujita et al. AJNR 2021)。さらに、縦緩和時間(T1)、横緩和時間(T2)、プロトン密度(PD)、ミエリン量を含めた各種定量値のROI解析および画像統計 解析を並行して行い、疾患に特徴的な障害分布や程度の探索を開始している。2021年度にはこれらの解析を単一の装置ではなく、複数の装置で動作させることに成功した。異なる装置でも信頼できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多発性硬化症患者における本アプローチの有用性を示した(Fujita et al. AJNR 2021)。
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Strategy for Future Research Activity |
多機関での検討を見据えた技術開発を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19の世界的流行により国際学会での発表機会が減少したため。2022年度は国際磁気共鳴医学会や日本磁気共鳴医学会にて研究成果を発表を予定しており渡航費用が必要になる見通しである。
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