2019 Fiscal Year Research-status Report
独自の形状に放射線源を密封したPET装置QA/QC用ファントムの開発
Project/Area Number |
19K17185
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
赤松 剛 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 博士研究員(任常) (00726557)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PET / QA/QC / Na-22 / 密封放射線源 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにない独自の形状(例えば円柱多孔型、柔軟なチューブ型、中空ドーム型)に長半減期の放射線源(例えばNa-22)を密封することでPET(Positron emission tomography)装置の品質保証・品質管理(QA/QC)用ファントムを開発し、実用化することを目的とする。このような独自形状の線源密封型ファントムを製作できるようになれば、 (1)いつでもどこでも誰でも同じようにPET装置のQA/QCが実施できるようになり、利便性と再現性が向上する (2)従来の円筒型ファントムが使用できないPET装置(頭部専用ヘルメット型PET装置など)にも適用できる、新しいファントムの製作が可能になる などの成果が期待できる。 2019年度(初年度)は、密封放射線源の専門機関である公益社団法人日本アイソトープ協会の協力のもと、Na-22をエポキシ系樹脂と混合、密封することで複数の小型ファントム(円筒型およびチューブ型)を製作し、放射能均一性および耐久性を約1年にわたって長期的に評価した。その結果、製作したファントムの放射能均一性および耐久性に問題がないことを確認した。同様の製作技術を用いて、より複雑な形状である円柱多孔型および中空ドーム型のファントムを製作し、小動物用PET装置や頭部専用PET装置など、複数のPET装置のQA/QCに応用した。これらの研究成果を、放射線医学や医用イメージングに関する国内外の学術集会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画段階に構想していた形状(円柱多孔型、柔軟なチューブ型、中空ドーム型)のファントムを、全て計画通り製作することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度(2年目)は、これまでに製作したファントムをPET装置のQA/QCやPET検出器開発に応用し、その有用性を検証する。さらに発展的な内容として、より人体に近い、複雑な形状のファントム製作を目指す。
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Causes of Carryover |
当初計画していたファントム製作が順調に進んだため、想定よりも消耗品費を抑えることができた。来年度(最終年度)は、より人体に近い複雑な形状のファントム製作に取り組むための消耗品費、ならびに研究成果発表のための旅費を計上する。
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