2020 Fiscal Year Research-status Report
心筋MRI遅延造影画像から再現した病理画像を用いた心筋症診断法の開発
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19K17188
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
太田 靖利 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (90388570)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遅延造影 / 心臓 / 画像診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究過程より、病理画像再現までの細分化したステップとして高分解能遅延造影の取得を中心に取り組んだ。現時点で一般的に用いられる192x240ピクセルの画像から最終的に460x576ピクセルの高解像画像を取得することに成功した。この高解像画像について、空間分解能や局所の解剖構造描出の精緻化の程度、全体的な画質評価まで行って、高分解能画像が従来画像と全体的な画質で同程度かつ、解剖学的構造をより明瞭に描出出来ている点まで確認した。今後、この高分解能画像によるデータセットを作成して病理画像への変換に近づける研究を遂行するが、遅延造影画像撮像時に反転時間設定が撮像者によってことなり、コントラストが不均一となるもしくは不適切なタイミングで撮像されることがあり、データセットに組み込むことが難しい画像が散見された。このため撮像タイミングを人工知能により補正すれば撮像者の経験に依らず均一な学習用画像が取得出来との観点から、過去画像を用いて画像と適切な反転時間との差異を学習させ、補正用AIを作成した。更に撮像中に迅速かつ簡便に補正作業が行える様にこのAIをスマートフォンに組み込み、リアルタイム補正が行える様にし、良質の高分解能遅延造影が集積する事まで遂行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度まで研究を進める中で得た着想より、より解像度が高い遅延造影画像の取得を目指し、本年度は高分解能心筋遅延造影画像の撮像中心に行っている。初年度に掲げた全体計画よりは遅延しているが、昨年度策定した方策に基づいて行った高分解能撮像では、60例を超える症例について画像取得が行え、本課題からスピンオフした課題として、良質な遅延造影を取得するためのAI開発も行え、良好な高分解能遅延造影の集積は順調に行えており、画質評価も順調に進んでいる。本課題達成からは若干遅れているものの、着実に研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
高分解能遅延造影撮像法が可能であることを示し、遅延造影の形態が既存の撮像法と比較してより病理を反映した所見であることをファントムないしは病理画像が得られた場合、対比を行って示す。同時に、当初の目的であるディープラーニングを用いた画像変換についても高分解能画像を学習させた場合にどの程度有効なスタイル変換が可能であるかについても評価を行う予定。また、昨年得た着想として病理画像から所見が判明している患者の心筋遅延造影画像をディープラーニングを用いて学習させ、病理診断に繋がる特徴を読み取り、病理診断無しに確定診断に繋げる方策についても、昨年度作成した心アミロイドーシスのデータセットを用いて行い、本研究の最終目標である画像を用いて正確な診断に迫ると言う課題の推進を図っていく。この際には本年度に開発した反転時間補正用AIを活用し、高画質のデータセットを収集する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、オンサイトでの国内・国際学会開催が無く、本年度は旅費の支出が無かった。次年度も引き続き研究課題の遂行のため、物品購入や学会での情報収集を行う予定であり、次年度使用が必要となる。
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