2019 Fiscal Year Research-status Report
シンチレーションアクティブコリメータによるPET/SPECT同時定量撮像法の確立
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19K17191
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉野 将生 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30789938)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シンチレータ / 放射線検出器 / 核医学装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず、シンチレーションアクティブコリメータの形状の最適化を図るために、モンテカルロシミュレーションソースコードGeant4用の医療用途向けツールキットであるGATE(Geant4 Application for Tomographic Emission)を用いて、シンチレーションアクティブコリメータを模擬したジオメトリでシミュレーションを行った。99mTcからの140keVガンマ線を用いて、従来の鉛やタングステン製のコリメータと同程度の性能で多核種同時撮像が可能となるシンチレータの条件を見積もった。結果として、コリメータに用いるシンチレータは、GAGG以上の密度(6.3g/cm3)を持ち、厚み3cm以上の条件が必要であるとの結果を得た。この結果を踏まえて、現在最適化されたシンチレーションアクティブコリメータの製作のため、GAGG、LuAG等の部材、原料の調達を進めている。 上記シミュレーションと並列で、原理検証を行うためのシンチレーションアクティブコリメータアレイの製作を進めた。シンチレーションアクティブコリメータアレイの1回目の試作を行い、MPPCアレイを用いたPET/SPECT同時撮像用検出器のプロトタイプを試作した。また、検出器からの信号を読み出すためのデータ収集系の構築も完了し、原理検証を行うための環境構築が完了した。 また、チューブ型形状制御された結晶の育成も実施し、Y3Al5O12やLu3Al5O12を母材として、チューブ径3mm、チューブ幅1mmの角柱型単結晶シンチレータの育成に成功している。現在は、よりチューブ径の小さい結晶育成のために、ルツボ形状の最適化を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、研究が計画されていた、下記が完了済みである。 ・シミュレーションによるシンチレーションアクティブコリメータの形状・材料最適化 ・原理検証用プロトタイプの製作 ・チューブ型形状制御単結晶シンチレータの育成及び、育成条件の最適化 プロトタイプ機を用いた原理検証に関しては、現在データの取得が開始しており、当研究室で所有する密封点線源を用いたデータの収集はまもなく完了予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、調達を進めているシミュレーションによって最適化された材料・寸法でのシンチレーションアクティブコリメータの製作を進める。同時並行で、原理検証用プロトタイプで実験し得られたデータの解析、同時撮像の原理検証を実施する。 上記の検証、製作が完了し次第、より検出器の数を増やしたシンチレーションアクティブコリメータ検出器リングの製作を行い、99mTc、111In、18F等の非密封線源を用いた性能評価を順次行っていく予定である。
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Research Products
(5 results)