2020 Fiscal Year Annual Research Report
シンチレーションアクティブコリメータによるPET/SPECT同時定量撮像法の確立
Project/Area Number |
19K17191
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉野 将生 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30789938)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | シンチレータ / 放射線検出器 / 核医学装置 / 多核種同時撮像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者が新規開発を目指す手法(シンチレーションアクティブコリメータ、SAC)を用いることで、高空間分解能かつ感度を損なうことなくPET・SPECT核種を同時定量撮像する手法を確立した。具体的には、 1.GATEを用いたモンテカルロ・シミュレーションを実施し、多核種同時撮像が可能なシンチレーションアクティブコリメータ検出器の材料・形状設計を実施した。 2.1の結果を元に、BGO-SACコリメータ検出器を開発し、シンチレーションアクティブコリメータ検出器のプロトタイプを試作した。その検出器を用いて、PET(22Na線源)/SPECT(57Co線源)核種を多核種同時撮像することに成功した。 3.PET核種(22Na)に関して、従来手法であるPbコリメータを用いた通常のSPECTの手法と比較して、空間分解能・検出効率・S/N比の全てで10倍以上優れた性能を達成した。 4.SPECT核種(57Co)に関して、従来のSPECTの手法と比較して、空間分解能・S/N比の観点で10%程度性能が劣る結果となった。 特に重要な成果は、2に記載した内容で、本研究の提案手法であるシンチレーションアクティブコリメータを用いることで、従来のSPECTの手法では実現が困難であった多核種の同時撮像が実現可能となった点である。これにより、内分泌腫瘍の特異受容体発現の病変内診断に加え、223Ra、211AtなどのRI内用療法核種の体内集積位置の特定など核医学診断に新たな途を拓いた。4で示したSPECT核種で従来手法と比較して空間分解能が劣っていた点が今後の課題としてあるが、吸収体検出器に用いるシンチレータのエネルギー分解能を向上することで、空間分解能を改善することが実証できており、エネルギー分解能の優れたシンチレータ結晶の開発が今後の研究課題である。
|
Research Products
(2 results)