2019 Fiscal Year Research-status Report
医薬品個別化適正使用のための薬物代謝酵素活性を定量測定する新規核医学診断法の確立
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19K17194
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水谷 明日香 金沢大学, 保健学系, 助教 (00828452)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 薬物代謝酵素 / Cytochrome P450 / CYP2D6 / mequitazine / 薬物代謝酵素活性 / 小動物イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、病態個体差の大きい精神神経疾患に対する薬物療法最適化が緊急課題であると位置づけ、薬物代謝酵素活性イメージングのモデルケースとして、多くの抗うつ薬や抗精神病薬の代謝に共通して関与するcytochrome P450 (CYP) 2D6活性画像診断薬の開発を最優先に推進した。 既に確立した手法に従い、CYP2D6を基質とする抗ヒスタミン剤メキタジンを125Iにて標識し、放射性ヨウ素標識メキタジン (125I-IMQ) を調整した。標識法および精製法の最適化を行い、標識率80%以上、放射化学的純度99%以上で125I-IMQが得られ、24時間安定であることを確認した。In vitro代謝物分析として、マウス肝ホモジネート中における125I-IMQ放射性代謝物生成の有無を検討した結果、125I-IMQ未変化体が経時的に減少し,放射性代謝物を生じることを確認した。また、125I-IMQを代謝するCYP分子種を特定するために各CYP分子種の阻害剤を負荷したことで、125I-IMQの代謝反応はCYP2D6特異的であることを明らかにした。 さらに、125I-IMQの体内動態を明らかにするために、マウス体内分布検討を行った。その結果、早期に肝臓へ集積し、速やかに胆汁排泄されることが確認された。また、125I-IMQ投与後のマウスから胆嚢を摘出し、胆汁中に含まれる放射性物質を分析したところ、胆汁中では未変化の125I-IMQはほぼ検出されず、大部分が放射性代謝物であることが明らかになった。 以上より、開発した125I-IMQは肝臓中でCYP2D6による特異的代謝を受け、その放射性代謝物が選択的に胆汁排泄されることから、CYP2D6活性画像診断薬として必要な条件を満たし、125I-IMQ投与後にダイナミックイメージングを行うことで、CYP2D6の活性を定量評価できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、おおむね順調に進展している。1年目で薬物代謝酵素CYP2D6の活性評価を標的とした新規画像診断薬開発の基礎的検討を終えた。この結果を基に2年目以降の研究を円滑に進めることができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
薬物代謝酵素CYP2D6の活性評価を標的とした新規画像診断薬開発の基礎的検討を終えたことから、小動物SPECTイメージングへの応用を行う。 小動物用SPECT/CT装置を使用し、125I-IMQ投与マウスのダイナミックイメージングを行い、代謝系および排泄系組織内に存在する放射性代謝物の経時的集積曲線を取得し、放射性代謝物量を指標とした画像診断によってCYP2D6の活性を評価可能であることを示す。 また、正常マウスだけでなくCYP2D6活性低下マウスや疾患モデルマウス等を利用して検討を行い、125I-IMQのCYP2D6活性画像診断薬としての有用性を評価する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、予算計画をした時点と購入時で価格変動があったためである。 また、次年度使用額を含めた当該助成金は次年度に試薬等を購入する物品費として使用予定である。
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