2021 Fiscal Year Research-status Report
医薬品個別化適正使用のための薬物代謝酵素活性を定量測定する新規核医学診断法の確立
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19K17194
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水谷 明日香 金沢大学, 保健学系, 助教 (00828452)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 薬物代謝酵素 / Cytochrome P450 / CYP2D6 / mequitazine / 薬物代謝酵素活性 / 小動物イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、病態個体差の大きい精神神経疾患に対する薬物療法最適化が緊急課題であると位置づけ、薬物代謝酵素活性イメージングのモデルケースとして、多くの抗うつ薬や抗精神病薬の代謝に共通して関与するcytochrome P450 (CYP) 2D6活性画像診断薬の開発を最優先に推進した。 昨年度までの研究において、放射性ヨウ素標識メキタジン (125I-IMQ) が、CYP2D6によって特異的に代謝され、生成された放射性代謝物が選択的に胆汁排泄されることを確認した。さらに、肝臓、胆嚢および腸管をターゲットとした125I-IMQのダイナミックSPECTイメージングで関心領域を設定し集積を評価することが可能であり、体内分布の結果と同様に早期に肝臓への集積が増加した後、その集積が減少するに従って、胆嚢および腸管への集積が経時的に増加することがSPECT画像においても確認できた。 本年度では、臨床への応用を目指し、PET核種である18Fでメキタジンを標識し(18F-FMMQ)、同様の検討を行った。その結果、125I-IMQと同様にCYP2D6特異的に代謝を受け、生じた放射性代謝物が優先的に胆汁排泄された。さらにCYP2D6活性の変化をPETイメージングにおける胆嚢の経時的集積曲線の変化として捉えたことから、18F-FMMQを静脈投与後の PETイメージングによる胆嚢の経時的集積曲線から、胆汁排泄動態を解析することで、患者個々の包括的な薬物代謝酵素 CYP2D6活性をリアルタイムに反映した定量評価できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、おおむね順調に進展している。125I標識体に加えて18F標識体での評価を終えたことから、この結果を論文としてまとめることができると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたり、これまでの研究成果を論文投稿する。
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