2019 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージを対象とした新規薬剤輸送システムの確立と新規治療戦略の開発
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19K17197
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
妹尾 悟史 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (40801105)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マクロファージ / TAM / DDS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の採取的な目標はナノ粒子を新規薬物輸送システム(Drug Delivery System:DDS)とし、癌治療抵抗性の原因となっている腫瘍関連マクロファージ(Tumor Associated Macrophage:TAM)をターゲットした新規治療戦略とすることにあるが、2年間で到達するには困難であると考え、今回の期間ではナノ粒子を用いたTAMに対するDDS開発を主目的とし、ナノ粒子の取り込みに伴うTAMへの影響を調査することを 目標とする。具体的には以下の4点で、 1. DDSに適したナノ粒子の検討、2. TAMへ効率良く運搬されるためのナノ粒子表面への修飾物質の開発、3. TAMによる運搬体の捕食の確認、4. 捕食に伴うTAMの変化の4項目とした。 我々の教室では長年チタンや金のナノ粒子を実験に使用しているが、表面修飾しやくすく扱いにも慣れている金ナノ粒子を今回のDDSとして使用するナノ粒子の候補と考えている。 次にTAMによるナノ粒子の捕食を確認する目的でtype2マクロファージの同定を行う予備実験を行った。以前にマクロファージの実験を行う際に用いていた、吸収糸を用いて作成したPGAスペーサーをラットの腹部に挿入し、挿入後1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月の段階でそれぞれ取り出し、異物に集積したマクロファーをtype1・type2を染色で同定した。HE染色でマクロファージを形態学に確認し、免疫染色(Iba1、CD86、CD206)を行ったが、type1・type2の同定は困難であった。現在は染色条件や染色抗体の変更を検討している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
DDSに適したナノ粒子の検討に関しては、我々の教室で長年ナノ粒子を実験に使用しており、ナノ粒子の候補を選定するのに時間はかからなかった。 前述したように、TAMによるナノ粒子の捕食を確認する目的でtype2マクロファージの同定を行う予備実験を行ったが、ラットの腹部に挿入したPGAスペーサーの周囲はマクロファージの集簇が多く、HE染色では形態学的に判別可能であったものの、免疫染色(Iba1、CD86、CD206)ではマクロファージの鑑別が困難であった。そこでマクロファージの集簇が少ない標本を変更して染色しなおしたが、鑑別するには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
TAMによるナノ粒子の捕食を確認する目的の予備実験に関し、染色条件や染色抗体の変更を行い、まずはtype2マクロファージの同定を行う。 type2マクロファージの同定可能な条件・染色抗体を決定後、まずはナノ粒子がスペーサーへのマクロファージ集簇への影響とマクロファージ内へのナノ粒子の取り込みの観察を行う。具体的にはラットにPGAスペーサーを挿入した上で、尾静脈から金ナノ粒子を静注し、1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月の段階でスペーサーを取り出し、type2マクロファージの分布の違いを観察する。続いてマクロファージ内に取り込まれているナノ粒子に関し、電子顕微鏡を用いて観察を行う。
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Causes of Carryover |
前述したようにtype2マクロファージを同定する染色実験の進捗状況が悪く、本来の予定とは異なる実験に費用を使用したことが原因と考える。 次年度に繰り越した金額に関しては、免疫染色用の抗体の購入費に充てる予定である。
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