2022 Fiscal Year Annual Research Report
急性腸管虚血症に対するインドシアニングリーン動注による腸管血流評価の有効性の検討
Project/Area Number |
19K17198
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐々木 康二 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10815989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 急性腸間膜虚血症 / インドシアニングリーン / 動注 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウサギを用いた動物実験を行った。ウサギ①②はそれぞれ三種混合麻酔(メデトミジン10mg+ミダゾラム40mg+ブトルファノール10mg(計20ml))を0.5ml/kg筋注した。 ウサギ①の右耳介静脈を22G針で穿刺し、ルートを確保した。ウサギ①②ともに大腿動脈よりハイフロータイプの遠位端可動型マイクロカテーテルを挿入し、透視下に上腸間膜動脈を選択した。回結腸動脈をコアキシャルに挿入した孫カテーテルで選択した。選択した回結腸動脈より塞栓物質(embosphere:100-300μm)を投与し、血管造影を確認し、腸管虚血モデルを作成した。ウサギ①は耳介静脈より静注用ICG溶液 (ICG25mgを10mlの注射用水で溶解してさらに蒸留水で5倍に希釈したもの)を1ml (ICG:0.5mg相当)、ウサギ②は孫カテーテルを抜去後に上腸間膜動脈に留置したハイフローカテーテルから動注用ICG溶液(ICG25mgを10mlの注射用水で溶解してさらに蒸留水で100倍に希釈したもの)を20ml (ICG:0.5mg相当)をそれぞれ投与した。開腹下に虚血腸管の評価を行った。肉眼的評価に加え、医療用CCDカメラ(HEMS plus;ミズホ株式会社)を使用し、血流評価を行った。その後、ウサギを安楽死させた。安楽死は三種混合麻酔(メデトミジン10mg+ミダゾラム40mg+ブトルファノール10mg)を0.5mg/kg筋注し、全麻下に麻酔薬の大量投与(ペントバルビタール)で安楽死させた。なお全手技行程は全麻下で行い、苦痛には十分に配慮した。いずれも腸管血流は同程度に評価可能であった。ICGの性質上、蛍光カメラでの描出には十分な希釈が必要であり、より希釈された状態で腸管に到達する静注での投与が望ましいと思われた。動物愛護の観点からこれ以上の実験を継続する意義は乏しいと判断し、ウサギ2匹の実験で終了とした。
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