2020 Fiscal Year Research-status Report
食道癌のCRT後再発の遺伝的機序解明とパネルによるctDNA評価法の実装性の検討
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19K17202
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本村 有史 九州大学, 大学病院, 医員 (00826365)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リキッドバイオプシー / 放射線化学療法 / 抵抗性群特異的変異遺伝子 / NOTCH1 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌でも、単一腫瘍内の多様なサブクローンのうち特定のものが治療に耐え再発に至ると予想される。再発に関わる遺伝子変異の同定が望まれるが、通常の生検は腫瘍の部分的な評価に過ぎず、少ないサブクローンは物理的に評価困難である。この克服に向け、癌細胞から血中に漏出する循環腫瘍DNAを用いた腫瘍の包括的評価が見込まれる。本研究では食道扁平上皮癌のCRT後再発例において、治療前/再発後のマルチサンプリングの腫瘍遺伝子解析結果から、CRTにより濃縮された変異遺伝子を抽出し癌パネルを作成、経時的に採取した血漿検体において、このパネル実装性の検討と再発関連遺伝子の同定を行う。 リキッドバイオプシーを実践する上でのctDNAシーケンスの準備はTarget Seq含めて整備され完済みである。われわれは癌パネルの設計において再発を予測しうるゲノム変異遺伝子について症例数を増加し新たな解析のパイプラインを加えて鋭意解明をすすめてきた。その結果、感受性群特異的変異遺伝子(EP300等)と抵抗性群特異的変異遺伝子(NOTCH1)を同定した。 今年度 新たに採血をしたCRT前と後の検体を用いて、cfDNAを抽出し CRT前後のがんパネルを作成し再発の予測の可能性について明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来は令和2年末までには癌パネルを作製している予定であったが、先行研究の原発巣と再発巣の解析に時間を要しており、新たな解析パイプラインを加えるなどしたため 再解析を余儀なくされた。このため パネル搭載遺伝子の決定に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画として食道がんCRT再発のctDNAでの評価と腫瘍免疫応答解析を行う。すなわち、1)食道癌照射による治療効果の評価を行う。2)RNA Seqの結果 MYC 発現とチェックポイント関連分子発現PDL1 CD47 発現(IHC確認可)。3)MYC以外の食道発癌へのdriver(NOTCH1, CCND1など)の関与について明らかにする。4)腫瘍免疫応答の癌細胞自身の抗原提示機構低下について明らかにする。具体的な解析項目として、カスタムパネルを作成しctDNAでの経過観察法の確立:照射前 血液 target Seq (MySeq)。また、実際の経過観察において実装性を高めるためにAFの高い変異をフォロー(dPCR)する様に計画を修正した。再発例の照射前のRNA SeqおよびIHCを実施し腫瘍免疫応答の評価を行う。さらに食道癌のオルガノイドを用いて、上記で同定したdriverについてKO +照射実験を開始する。
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Causes of Carryover |
次年度の実験消耗品として使用予定
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[Presentation] CAFからのSpondin2は胃癌の運動性を促進する2020
Author(s)
斉藤秀幸,増田隆明,倉光正太郎,八代正和,高尾誠一朗,小齊啓祐,小林雄太,本村有史,小池健輔,高橋純一,大津甫,武石一樹,米村祐輔,佐伯浩司,三森功士
Organizer
第79回日本癌学会学術総会
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