2019 Fiscal Year Research-status Report
CT ナビゲーション超音波ガイドによる安全な中心静脈穿刺ラインの考案
Project/Area Number |
19K17203
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
斉藤 正人 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70551109)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中心静脈穿刺 / CTナビゲーション超音波ガイド / 医療安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
中心静脈(CV)穿刺による機械的合併症の回避は医療安全上重要である。安全なCV穿刺法の探索を目的とする本研究では、CTナビゲーションUSを用いて穿刺ライン周囲の構造評価、穿刺可能距離、穿刺深度など、ファントムおよび患者対象とした臨床研究をもとにデータ収集・解析中である。 2019年度におけるファントムを用いた検証では、通常使用する18G針とマイクロパンクチャー用の22G針を比較し、針の視認性、貫通性、直進性に関する定性評価を行った。細径針は貫通性に優れているものの直進性はやや劣ることが判明した。一方で視認性は両者に大きな差はみられなかった。今後、定量評価追加し上記結果を検証する予定である。 患者対象とした臨床研究においては、CTナビゲーションUS使用下で、部位別の穿刺可能距離や穿刺深度、血管貫通に必要なストローク長、穿刺成功時の針刺入長などを解析中である。中間解析結果においては、鎖骨上アプローチによる内頚静脈/鎖骨下静脈合流部穿刺は、内頚短軸法/長軸法、鎖骨下アプローチによる鎖骨下静脈穿刺など他部位に比較し、穿刺可能な安全域は有意に長く、また血管貫通に必要であった平均ストローク長と比較しても、合流部穿刺すべての症例においてこの平均を上回っていた。これら中間解析の結果からは、同穿刺ラインがより安全である可能性が示唆されている。また針刺入長のデータ結果も一定の傾向が見いだせており、適切な有効長の穿刺針選択にも活用できる可能性がある。今後も引き続き症例集積にて検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
穿刺シュミレーターを使用した針の視認性評価など当初の計画とおり進行中である。また臨床研究においても部位別の穿刺可能距離、穿刺深度などのデータ収集できており、中間のデータ解析においては、一定の傾向を見出し研究発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
穿刺シュミレーターを用いたファントム検証では、針の視認性や貫通性における定量的な評価を追加し、定性評価で得られた結果の検証・確認を行う。 臨床研究においては、CTナビゲーションUS使用下での部位別の穿刺可能距離、穿刺深度、血管貫通に必要なストローク長、針刺入長などを継続してデータ集積する予定である。さらに複数回穿刺に至った症例の要因に関して解析する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)すでに研究室にあった消耗品を使用して研究を行ったため残額が生じた。 (使用計画)前年度残額と今年度の直接経費を使用して、穿刺関連解析の研究を行う。これらの研究において、穿刺シュミレーターなどの消耗品、学会参加のための費用などに使用予定である。
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Research Products
(1 results)