2022 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍の不均一性に基づいたMRI画像による治療効果予測および治療効果判定
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19K17219
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
村田 慎一 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研究員 (00748866)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | MRI / バイオマーカー / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん診療において,超早期診断や個別化治療の実現化が期待されている。肝腫瘍に対する治療は, 外科的切除術・全身化学療法・IVR(interventional radiology)などがあり,病態により治療法が選択されている。しかし、同じ癌腫であっても腫瘍それぞれで悪性度は違い、治療方針の選択に難渋することも多々ある。本研究の目的は、分子イメージング手法を基礎としたMRI画像を用いて不均一性を定量的に評価し、得られた画像情報で早期治療効果予測や治療効果判定を行い、悪性度や予後の評価を行うことである。 2019年度に作成したデータベースに基づいて、2020年度はMRI撮影画像と病理画像とを照らし合わせて評価した。具体的には、病理標本の線維化や壊死・細胞成分を評価してMRI画像との相関について評価した。当初の仮説では病変の線維成分と相関して、MRI画像の造影率が反映されるであろうとの予想をしていたが、あらゆる条件でも相関は確認できなかった。 病理画像の定量的解析は現時点では実行可能性が低いと考え、分子病理学的情報を検討対象に追加することとした。具体的には大腸癌肝転移症例の原発部位の主座及びKRAS変異の有無を解析に加えた。その結果、大腸癌肝転移巣のGd-EOB-DTPAの造影率はKRAS野生型及び左側大腸由来の症例で高い傾向を示した。 本年度は、大腸癌肝転移症例32例(左側:24例、右側:8例)について腫瘍造影率について検討した。右側大腸由来の肝転移巣の造影率(31.5±7.5%)は左側大腸由来の肝転移巣の造影率(40.9±12.1%)に比べて有意に低いことが確認された(p=0.03)。 大腸癌肝転移巣のGd-EOB-DTPAの造影率は分子・病理学的情報を反映した画像情報を表現しており、イメージングバイオマーカーの一つとなりうる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病理学的な検討の実行可能性が低いことから、研究方向を転換する必要が生じた。それに伴い症例集積が遅れ、解析の進捗に遅れが生じている。 作成したデータベース・MRI画像を解析した。分子病理学的な評価と画像情報の相関について検討をすすめていく。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸癌におけるKRAS変異は治療効果予測を行う上で、重要な治療効果予測マーカーである。それをイメージングバイオマーカーで代替できる可能性を示唆事に意義があると考えられる。また病理学的な評価と相補的に用いることで、より強固な治療選択根拠として治療選択を行うことができるようになる可能性がある。 作成したデータベース・MRI画像の解析を進める。症例数を増やし統計学的な検討・論文化を行う。
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Causes of Carryover |
COVID19感染拡大に伴い、成果報告が行えなかったことにより使用できない費用が生じた。
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