2019 Fiscal Year Research-status Report
4次元ノイズ低減法を教師とした拡張知能によるノイズ低減法の心臓CTへの応用研究
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19K17220
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
西井 達矢 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (20749345)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ノイズ低減 / CT / 心臓CT |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓CTの現在の臨床的課題(より精緻な構造の描出とより正確な低コントラスト分解能の達成)を解決するために、強力で汎用性のあるノイズ低減法が肝要である。これまで我々が開発した4次元ノイズ低減法の、ノイズ低減効果に心拍数依存性があるという弱点は、深層学習を用いた拡張知能により補完できると考えた。本研究の目的は、4次元ノイズ低減法を適応した教師データを用いて深層学習を行った拡張知能による新たなノイズ低減法を開発し、心臓CTの臨床的な課題をこの手法の臨床応用で解決できることを実証することである。 本年度の課題としては、4次元ノイズ低減法を教師として深層学習したノイズ低減法の原理的な妥当性を証明することを設定している。実際の撮影画像と、それに4次元ノイズ低減法を適応し作成した低ノイズ画像のセットを教師として、様々な深層学習のアルゴリズムを用いてノイズ低減モデルを作成した。その結果、最もよいノイズ低減モデルでは、画像ノイズは約65%低減が可能であり、放射線科医の視覚評価においても冠動脈や弁など細かな構造の破綻を認めない画像が得られた。また、画像再構成時間は4次元ノイズ低減よりも短い時間で可能になることも確認できた。 しかしながら、今回作成した深層学習による拡張知能の特性として、教師と異なる入力画像(画像再構成関数の種類、逐次近似応用再構成法の強度)では、アーチファクトが出現することがわかり、ノイズ低減モデルの汎化性能の向上が課題としてあがってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
深層学習による拡張知能の特性として、教師と異なる入力画像(画像再構成関数の種類、逐次近似応用再構成法の強度)では、アーチファクトが出現することがわかった。その拡張知能の汎化性能をあげるために、現在転移学習や強化学習を応用している。また、機種による違いも考えられるため、それらの教師画像の収集を開始している。 そのため、完全な臨床応用への段階には至っていないため、進捗はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床応用のための課題を2点上がってきているため、以下の2点を追加で検討する。 まず、深層学習による拡張知能の特性として、教師と異なる入力画像(画像再構成関数の種類、逐次近似応用再構成法の強度)では、アーチファクトが出現することがわかった。その拡張知能の汎化性能をあげるために、現在転移学習や強化学習を応用している。また、機種による違いも考えられるため、それらの教師画像の収集を開始している。 また、非常に強力なノイズ低減が可能であることがわかってきたが、臨床的にはノイズ低減の強度を調整することができる方が望ましい。学習方法の変更などで可能かを検討する。 その後、心臓CTの臨床的な課題を解決できるかを実証するために、臨床画像における有用性の検討に向けて、症例収集を行う。
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Causes of Carryover |
本年度の成果の海外学会での発表を次年度へ変更したため、旅費が次年度へ繰越しとなった。 また、昨年度購入予定であった、本研究で作成するノイズ低減モデルを臨床応用する際に必要となってくる高速なGPUを持つワークステーションの機器選定が遅れたため、こちらも次年度使用額が生じた。
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