2021 Fiscal Year Research-status Report
腎血流と腎酸素飽和度の画像評価による造影剤腎症の病態解明と経動脈的治療法の開発
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19K17228
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
奥村 健一朗 金沢大学, 附属病院, 医員 (30743447)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 造影剤腎症 / 糖尿病モデル / 光音響 |
Outline of Annual Research Achievements |
造影剤負荷時の腎臓組織酸素飽和度をベッドサイドで施行可能な光検査、光音響画像で評価することを目的とした研究を試みた。 造影剤腎症モデルラットとして古典的なモデルを作成使用していた。つまり、薬剤(L-NAMEとインドメタシン)を注射する前処置を行った上で造影剤の動注と静注施行した。造影剤単体では腎症が起きないとされていたからである。実際に、造影剤単体では造影剤静注では腎症は生じなかった。しかし、腎動脈から単体で動注すると、軽度腎障害を生じた。古典的なモデル作成手法に則り、薬剤注射の上で造影剤を動脈、静脈それぞれから注射した。その際には、あらかじめカテーテルを腎動脈分岐上腹部大動脈、腎動脈、下大静脈に留置の上で造影剤を注入した。すると、腎動脈選択的に造影剤を注入した場合の方が、下大静脈から注射するよりも腎症が重症化することが明らかとなった(腎症の程度の評価は血液検査、尿検査、病理検査で行っている)。さらに、造影剤投与後であっても急性期に造影剤を腎動脈選択的にハイドレーションすることで用手的に造影剤が尿管内等から洗い流され、腎症が軽減されると考えられた。 しかし、上記の様に、造影剤腎症モデルを作成使用する中で、より臨床に沿った至適な造影剤腎症の制御をするために、別の造影剤腎症モデルを作成を試みることにした。高脂肪食を負荷させることで、腎臓や肝臓など全身代謝異常を引き起こすモデルラットを作成を試みた。また、同時に、超音波検査の性能向上の為に、工学部にも協力をあおいでより高性能なプローべの作成も試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、薬剤負荷による造影剤腎症モデルによる実験を試み、成果を発表できたが、トップジャーナルの論文投稿による査読で、さらに臨床に沿った方が良いと助言を受け、疾患モデルを変更することにした。変更するために、高脂肪食負荷による糖尿病モデルの作成を試みている。さらに光音響画像の基礎画像となる超音波検査の性能を向上させるため、プローべも作成しなおすことにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、疾患モデルの作成と超音波プローべの改良を行なっていく。
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Causes of Carryover |
疾患モデル作成には一定以上の期間が必要であるために次年度に使用する方針となった。今年度は、引き続き疾患モデル作成と、プローべの改良、臨床データーを用いた対比を行う際に使用する。
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