2019 Fiscal Year Research-status Report
深層学習を用いた胸部単純X線写真の自動診断と医師への読影支援
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19K17232
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西尾 瑞穂 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (50581998)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 深層学習 / 胸部単純X線写真 / 肺 / 自動診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、胸部単純X線写真の肺のセグメンテーションを行った。この処理は胸部単純X線写真の自動診断を行う上で、重要な前処理である。自動診断では肺に病変を有する胸部単純X線写真を対象にしなければならないので、本年度は病変のある胸部単純X線写真であっても頑健に肺のセグメンテーションが行われることを目指した。
今回の研究では、公開データベースから正常の胸部単純X線写真だけでなく肺炎や肺結核の病変を含む胸部単純X線写真も選択して、肺のセグメンテーションの対象とした。DICE係数と呼ばれるセグメンテーションの指標で評価を行った。重度の肺炎がある胸部単純X線写真においても、今回の研究の肺セグメンテーションの精度はDICE係数0.9以上となり、良好な成績が得られた。この結果は現在英文誌に投稿中である。
また、上記と関連して深層学習や機械学習を用いた医用画像処理の三つの論文が査読付き英文誌に掲載された。一つはFDG-PET/CTにおける肺癌の自動診断を機械学習を行う研究である。肺癌は胸部単純X線写真でもしばしば診断の対象となるため、この論文の知見を胸部単純X線写真に応用したいと考えている。残り二つは胸部単純X線写真の肺のセグメンテーションの手法をCTの骨や膵臓のセグメンテーションに応用したものである。骨や膵臓のセグメンテーションにおいても、良好な成績を得ることができ、本研究のセグメンテーションの手法が他の臓器においても有効であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、自動診断の前処理として必要な肺のセグメンテーションに注力をした。肺セグメンテーションとしては、【研究実績の概要】に記載したように良好な成績を得ることが出来た。
現在は、公開データセットとしていくつかの胸部単純X線写真のデータセットが入手可能となっている。本年度の研究を通じて、これらのデータセットの利用方法を応用方法に精通することが出来た。また、セグメンテーションに利用される深層学習のモデル(今回の研究では、UNET)やそのモデルの学習方法にも精通することが出来た。これらの知見を次年度の自動診断に活用していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年末から、新型コロナ肺炎の世界的な流行があった。これに対応するために当初の予定を多少変更し、2020年度は新型コロナ肺炎の胸部単純X線写真の自動診断を行う研究をする予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会の旅費を計上していたが、研究代表者の異動があり、旅費を使用することが出来なかった。
また、物品費として高性能な計算機を計上していたが、これも研究代表者の異動の都合で、使用することが出来なかった。
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Research Products
(3 results)