2020 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病の早期診断のための定量的黒質ドパミン神経イメージングの開発
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19K17239
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤原 康博 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (90422675)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 黒質 / 神経メラニン / 磁気共鳴画像 / 定量 / 緩和時間 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、次の2つの検討を進めた。 1. パーキンソン病患者を対象にフィリップス社製の3.0T MRI装置を用いて3D Phase-sensitive inversion recovery(PSIR)の撮像を行い、得られたT1値画像から黒質変性の定量評価を行った。健常者を対象とした定量値のベースラインの測定はすでに終えており、その成果を国際磁気共鳴医学会にて発表および論文報告した(Fujiwara et al, Acta Radiol)。また、パーキンソン病症例の画像データに対しては、Hoehn&Yahr の重症度分類ごとに定量値を評価し健常者と比較することで、黒質変性のバイオマーカーとしての利用可能性について評価を進めた。現在は、引き続き症例を蓄積している状況であり、一部の成果については国内学会にて発表を行っており、目標症例数に達し次第、データをまとめて国際学会で発表および論文投稿を行う予定である。 2. 27名の健常者を対象にGE社製の3.0T MRI装置を用いてSynthetic MRIとNeuromelanin imagingの撮像を行い、得られた画像から標準空間上で利用可能な黒質の解剖学的アトラスを作成した。そのアトラスを用いて黒質の領域ごとにT1値、T2値、プロトン密度を測定し、領域間の緩和時間の差や加齢に伴う変化を明らかにした。これらの一部の成果については、国内学会にて発表および論文投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大の影響のため、パーキンソン病患者および健常者の撮像が一時中断されたため、当初予定していた症例数に達してない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、被検者の撮像が再開されたため、画像データの蓄積と並行して画像解析を行う予定である。また、それらの成果をまとめ学会発表および論文投稿を行う。さらに、Synthetic MRIや他の緩和時間マッピングが可能な撮像シーケンスを用いて、標準空間上で黒質の変性評価が可能なパイプラインを構築する。構築した黒質定量評価のパイプラインをパーキンソン病患者に適用し、黒質変性の評価に対する有用性を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、国内外の学会がオンライン開催に変更となり、参加旅費が不要となった。これについては、最終年度に旅費または消耗品として使用する予定である。
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