2019 Fiscal Year Research-status Report
豚における溶解型ゼラチンスポンジを用いた肥満に対する血管塞栓術の検討
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19K17242
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 大樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40612966)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 血管塞栓術 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は多くの疾患の原因となりうる病態である。生活習慣の改善で奏功しない患者は一定頻度でみられ、一旦減量に成功してもまた増量するいわゆるリバウンドもよく経験される。そのような患者に対しては更なる治療が必要となる。中でも外科手術は一部が保険適応となっており、現在日本各所で施行されている。しかしながら、一定確率で腸閉塞などの合併症がみられるため、より低侵襲な治療が求められ、その候補として血管塞栓術(Bariatric Arterial Embolization;BAE)が注目されている。食欲を増進させるホルモンであるグレリンが主に胃で生成されるため、胃を栄養する動脈を塞栓することでその分泌を抑制し、食欲低下を促すという治療法がBAEである。過去の報告では3カ月で6kg以上の減量が確認できており、比較的良好な成績と考えられる。しかしながら最大75%で術後に胃潰瘍がみられたという報告があり、安全性に関してはまだまだ改良の余地がある。 上記報告では塞栓物質としてmicrosphereやPVAなどが用いられているが、これらは血管内で溶解しない永久塞栓物質であり胃粘膜への阻血効果は比較的強いと思われる。これに対し、我々は血管内で溶解するゼラチンスポンジを塞栓物質として用いることで組織障害が軽減でき、ひいては胃潰瘍の発生を抑制できると考えた。この仮説を実証するため、溶解型ゼラチンスポンジとマイクロスフィアを用いてまずは正常豚の胃に対してBAEを行い、その組織障害の違いを検証する必要があると考え、今回その研究を実施するに至った。動物実験は2回に分けて実施する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年4月に実施予定であった動物実験が、新型コロナウイルスの影響で実施を延期したため。
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Strategy for Future Research Activity |
延期となった動物実験は本年6月に実施予定である。本年9月に実施予定である動物実験は現時点で日程に変更はない。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行のため、動物実験の実施が延期となったため。
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