2022 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ節転移に対するリンパ系インターベンション:直接リンパ管内化学療法の新規開発
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19K17246
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
富田 康介 東海大学, 医学部, 助教 (70803485)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インターベンショナルラジオロジー / リンパ管造影 / 化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験①【方法と対象1】健康な2.0-3.0kgの日本白色種ウサギを使用.リピオドール投与量を振ってそれぞれ経膝窩リンパ節リンパ造影を行い,4段階の視覚評価を行った. リンパ造影後,2週間飼育し,体重の変化と全身状態の確認,有害事象の有無を検討した.【結果1】リピオドール投与量1.0mL以上でリンパ系全体が良好に描出されたが,1.5mL以上では脂肪塞栓により死亡するウサギが発生した.実験②【方法と対象2】2.0-3.0kgの日本白色種ウサギに12週齢時に右大腿部にVX2腫瘍を移植したVX2担癌ウサギを準備した.3群に振り分け,それぞれVX腫瘍移植後12・15・19日にリンパ管造影を行った.リンパ径の描出を上記の方法で評価した.リンパ管造影後1週間飼育し,腰リンパ節を摘出して転移の有無を病理学的に検討した.【結果2】全例で腰リンパ節が良好に描出され,1週間後も腰リンパ節にリピオドールが集積していることが確認された.12日群,19日群は全例リンパ節転移陽性.15日群は3匹中2匹がリンパ節転移陽性だった.実験③【方法と対象3】上記と同様の方法でVX2担癌ウサギを準備した.VX腫瘍移植12日後に各種抗癌剤を混合したリピオドールをリンパ系に投与し,直接リンパ管内化学療法を行った.実験群はエピルビシン群,ミリプラチン群,対照群とした.投与後,1週間飼育したのち,後腹膜リンパ節を摘出し,抗腫瘍効果の有無を病理学的に検討した.【結果3】エピルビシン群は全例で抗腫瘍効果が認められ,ミリプラチン群・対照群は抗腫瘍効果は認められなかった.実験④【方法と対象4】VX腫瘍移植12日後にエピルビシンリを静脈投与し,直接化学療法と抗腫瘍効果を比較した.【結果④】静脈投与群では全例に抗腫瘍効果を認めなかった.現在,上記結果をまとめた論文を投稿中である.
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