2020 Fiscal Year Research-status Report
A Deep Learning Approach to Synthesize FLAIR Image from T1WI and T2WI
Project/Area Number |
19K17271
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 考志 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40645347)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ディープラーニング / 深層学習 / 画像合成 / 頭部MRI / 医用画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は主に環境整備を行った。環境整備として研究解析用コンピューターにおいて24GB×2台の大量のデータを処理できる画像処理用メモリーを搭載した解析装置を整備した。 環境構築の安定化・高速化のために仮想環境の整備を行った。深層学習の研究では、解析に使用するハードウェアに対して適切なソフトウェアを整備する必要がある。深層学習では急速に研究が進んでいるため、そのソフトウェアの更新頻度も高い。中でもCUDA、cuDNNと言われるソフトウェアは、深層学習ソフトウェアに対して適切な物をインストールしなければ深層学習を行うことが出来ないが、これはコンピューター1台に対して1種類しかインストール出来ないために、異なる手法の深層学習を試す際にはCUDAの再インストールが必要となったり、その過程でコンピューターが動作不良となって解析が中断するようなトラブルも多かった。また、深層学習にはソフトウェアを補助するライブラリをインストール必要もあり、この中でも実験的なライブラリが動作不良を起こし、解析用コンピューターでの解析に支障を生じることもあった。こういった場合に一からコンピューターを再調整するため、研究が中断してしまう問題があった。 この解決のために仮想環境の整備を行い、コンピューター本体へのソフトウェアのインストールは最低限に留めておくこととした。仮想環境上で各種ソフトウェアやライブラリをインストールすることで、再構築の際の負担が減少した。 なお、当該年度、研究者は研究施設を移籍し、それに伴う事務作業や業務変更への適応なども行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来今年度には様々な深層学習手法を試して画像の改善を図る予定であった。しかしながらその過程において、上述のように解析コンピューターに不具合が起きる場合があったため、その予防のために仮想環境の導入を行った。これによりトラブルは減ったものの、研究自体を進める時間が十分に確保できず、予定された全手法を試すことは出来ていない。 しかしながら、「深層学習を通じて医療画像診断を改善する」といった意味では、仮想環境と言ったより安定的な研究環境を保持する経験を得ることが出来ているため、今後はトラブルも減り、より安定的に研究が進めやすくなっている状況ではある。 また、研究者は当該期間に研究機関の移籍を行った。移籍先は移籍元よりも大型の施設であり、全体としてより高度な研究が可能であるものの、移籍後は業務の変更への十分な習熟が得られていないこともあり、若干の研究の遅れが発生してしまっている。この点に関しても、移籍先施設の業務に徐々に習熟しつつあり、長期的には研究の高度化が期待できるものである。 現時点では当該年度はやや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
T1WIとT2WIという基本的な画像から、病変検出に優れたFLAIR画像を合成していく作業を本格的に実行していく期間に該当する。環境がより整備されたことで、以前よりもトラブルが少なく、予定された様々な研究手法を実施可能であり、実験計画書に従って研究を進めていく。 また、これまでの研究において、従来法と比較してより精度の高い画像合成手法を構築することは既に可能となっており、すでに国際学会において発表済みである。このため、当該手法の論文による報告も行っていく。
|
Causes of Carryover |
当該予算では研究用装置の導入に重点を置いて予算を組んでいる。その中で、研究用コンピューター、特に深層学習に有用な画像解析装置(GPU)を整備する予定であった。研究開始前にはTesla V GPU(NVIDIA)を整備する予定であった。研究開始前後に新たに発売されたTITAN RTX GPU(NVIDIA)はTesla Vの4分の1ほどの価格でありながら、Tesla V に近い性能を誇るため、研究資金の有効活用のために同装置を2台導入した。また、当該画像解析装置によって解析が高速化されたこともあり、予定された高度な中央演算装置(CPU)の整備を先送りしたこともあり、次年度使用額が生じた。 本年度の研究費使用としては主に研究成果発表のための学会参加費や英文構成費用、論文投稿費用を想定している。
|