2022 Fiscal Year Research-status Report
特定部位へのDSB誘導系を用いた染色体転座優先機構の解明
Project/Area Number |
19K17275
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿部 悠 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (00722472)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 染色体異常 / 自然発生頻度 / DNA二本鎖切断 / アセチル化 / 染色体形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
Dox誘導CRISPR/Cas9システムによるDSB誘導細胞株の再作成については、継続中である。 染色体異常頻度に影響を及ぼす分子のスクリーニングでは、血液細胞を対象に染色体形態に影響を及ぼす分子について確認を進めている。分裂期関連キナーゼにおいてCK2など一部のキナーゼにおいて阻害剤処理による形態変化が認められており、shRNA等での染色体異常形成頻度の検討を計画している。一方で分裂期関連キナーゼの阻害では細胞生存率の低下が目立つものも多く、新しい観点でのアプローチが必要であり、その一つとしてアセチル化による形態制御に着目している。脱アセチル化阻害処理ではどの阻害剤においても染色体長が長くなる傾向および細胞生存率の高さが観察され、キナーゼを対象とするよりも染色体異常形成に関与する可能性が高いと考えられる。 また、日本人における染色体異常頻度の自然形成率探索では収集した検体の分析も大詰めとなり、交絡因子による分類分析を進めていく。1歳ごとの年齢分布では大きな傾向変化は認められず、男女差なども検出されていない。異常頻度の分布もまとまっており、交絡因子(特に医療被ばく)の影響が染色体異常の自然発生頻度に大きく影響していることが示唆された。一方で、放射線個人感受性の探索のため進めているX線照射検体(0.2, 1 Gy)に関しては、データファイル容量の影響でPCの動作が遅くなり画像分析が遅れている。現時点では、線量依存性以外に異常頻度が大きく異なる検体は観察されていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
X線照射検体の染色体異常分析において大幅な遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
画像分析用のPCを新しく導入したため、時間配分を調整し可能な限り画像分析を進めていく。
|
Causes of Carryover |
実験機器の故障および実験消耗品の納品遅れあるいは未定によるキャンセル等により進捗に遅れが生じたため。代替品の検索、購入、修理に使用予定。
|
Research Products
(1 results)