2023 Fiscal Year Research-status Report
特定部位へのDSB誘導系を用いた染色体転座優先機構の解明
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19K17275
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿部 悠 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (00722472)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 染色体異常 / DSB誘導モデル / CRISPR/Cas9 / 染色体異常形成率 / HDAC |
Outline of Annual Research Achievements |
Dox誘導CRISPR/Cas9システムによるDSB誘導細胞株の再作成については、DNA鎖切断後の修復方向について一方向のみのレポーター遺伝子の発現確認ができている状態であり、両方向でのレポーター遺伝子の発現が安定して確認できるように継続中である。 染色体異常頻度に影響を及ぼす分子のスクリーニングでは、血液細胞を対象に染色体形態に影響を及ぼす分子について確認を進めている。クロマチン構造の変化に関わるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)およびヒストンアセチル化酵素(HAT)による阻害剤処理では、HDACファミリーでの処理において、これまで以上の染色体過凝縮緩和傾向が見られたものの、一方で染色体過凝縮細胞の脱落が高い可能性が示唆された。特定のファミリータンパクによる凝縮緩和効果なのか、あるいは染色体異常を有する細胞の運命選択に影響しているのか明らかにするため、継続したHDAC処理による染色体凝縮度の観察およびMitotic Indexなどを指標とした細胞分布の解析を計画している。 また、日本人における染色体異常頻度の自然形成率探索では収集した検体の分析も進んでおり、収集したアンケートを活用して交絡因子による分類分析を進めていく。20代前半における年齢ごとの大きな変化は認められず、交絡因子(特に医療被ばく)の影響が染色体異常の自然発生頻度に大きく影響していることが示唆されている。一方で、放射線個人感受性の探索のため進めているX線照射検体(0.2, 1 Gy)に関しては、画像分析が計画よりも遅れているため、自然発生頻度との比較も含め、急ぎ解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
染色体画像分析に予想以上の時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
集中的にX照射検体の分析を進めるとともに、DSB誘導細胞株の作成についても可能な限り試行回数を増やす。
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Causes of Carryover |
昨年度までの購入分かつ安価な試薬での実験が可能であったため。 試薬等の追加購入や科学誌投稿に向けた校正などに使用予定。
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