2021 Fiscal Year Research-status Report
急性動脈閉塞症に対する革新的な血管内治療デバイスの開発
Project/Area Number |
19K17281
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
上田 達夫 日本医科大学, 医学部, 講師 (10637416)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 急性動脈閉塞症 / 血栓除去 / 血管内治療 / IVR / 血管内治療デバイス / バルーンカテーテル / 血栓回収 / 血栓破砕・吸引 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、急性動脈閉塞症(ALI; acute limb ischemia)に対する新たな血管内治療法を開発することにより、従来は治療効果が限定的であった陳旧化血栓や大量血栓に対しても、血管内治療により低侵襲かつ安全な治療を可能とすることである。2021年度の目標は、開発した陳旧化・大量血栓を除去するための新たな血管内治療法を用いて実験を行い、データ分析を行うことであった。以下、研究成果について述べる。2019年度に開発した血栓除去システム(Fogartyバルーンカテーテルおよびバルーン付きガイディングカテーテル)を用いた方法の有用性と安全性は以前の実験で確認したが、捕捉した血栓量が多い場合、カテーテル内に回収することが困難であるという問題点があった。これを解決するために、既存の大動脈ステントグラフト用の大口径シースを用いて血栓回収を行い、穿刺部はスーチャー止血デバイスを用いて止血する方法を考案し、生体外での血栓モデルを用いた実験および数例の動物実験でも実行可能であることも確認した。同法は、いずれも既に実臨床で使用されているデバイスを利用するものであり、人体に使用するにあたっての安全性も担保されている。引き続き、動物実験によるデータ収集・解析を蓄積し、臨床研究の準備を進める予定である。一方、本年度は同研究に関連する急性下肢虚血に対する血管内治療の成績をまとめた原著論文を学術雑誌および学術集会にて発表し、本研究に関する学外への情報発信を積極的に行った。本研究により、急性動脈閉塞症に対する外科的Fogartyカテーテル血栓除去を血管内治療を用いて行うシステムはほぼ確立できたと考えるが、全ての実験とデータの詳細な解析を終了するまでには至らなかった。今後も引き続き研究を継続し、早期に実臨床へ使用できるように準備を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験が終了しておらず、必要十分なデータ収集が行われていない。当初の予定では、2021年度中に動物実験を終了している予定であったので、計画よりはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
速やかに動物実験を終了して治療効果および安全性の評価を行い、考案した新規血管内治療法の実行可能性について検証していく予定である。また、得られたデータをまとめ、学会発表および論文作成・投稿を行っていく。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で学会を含め、対面でのmeeting、活動や行動に制約が生じた影響もあり、実験計画が当初の予定通り組むことが難しかったため、成果発表、論文発表等すべてのスケジュール進行に遅れが生じたため
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] Viabahn Stent Grafts for Arterial Injury of Peripheral Artery: Initial and Midterm Results2021
Author(s)
T. Ueda, H. Saito, F. Sugihara, S. Shirai, R. Fujitsuna, T. Matsumoto, T. Nakagomi, D. Yasui, S. Mizushima, T. Mine, H. Kawamata, S. Murata, H. Tajima, S Kumita
Organizer
第50回日本IVR学会総会