2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒト内軟骨性骨化モデルに於ける成長軟骨帯形成メカニズムの解明
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19K17295
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 武司 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (50774402)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 内軟骨性骨化 / 異種移植 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトiPS細胞より分化誘導した軟骨組織片を免疫不全マウスに移植する実験系を用いて、内軟骨性骨化プロセスの解析を行っている。 内軟骨性骨化の初期段階で軟骨に血管が侵入し、その後に血流を介して骨芽細胞系統の細胞が侵入し骨化を来すことが動物実験にて既に明らかになっており、骨形成に於ける血管新生の影響を検討した。 4週齢のSCIDマウスの背部皮下に健常人のiPS細胞由来の軟骨組織を移植し、血管新生阻害剤(VEGF-inhibitor V1 20mg/kg)をマウスに週3回皮下注射にて投与した。移植後6週で摘出し解析を行ったところ、vehicle投与群では骨形成が見られたが、薬物投与群では骨形成が抑制されていることが分かった。この結果から、血管新生はiPS細胞由来軟骨組織の異種移植モデルにおいても骨化プロセスに重要な役割を果たしていることが分かった。 次に血管新生を促進する薬剤としてVEGF (10ng/ml, 100ng/ml, 1μg/ml)、bFGF(2ng/ml、20ng/ml、200ng/ml)を溶解したゲルと共に軟骨組織片を移植する実験を行った。こちらは現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
iPS細胞の分化誘導に際してcontaminationが発生し、細胞を全て廃棄し培養をやり直す必要があったことから遅延が生じている。また、COVID-19流行の影響で2020年3月~動物実験施設のマウス導入が制限されたため、移植実験についてもやや遅れている。 当初予定の予算設定も上記により遅れが生じているが、2020年度には遅延を取り戻す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在血管新生を促進する薬剤を併用した移植実験を進めている。今年度前半で解析を行い、内軟骨性骨化の制御を目指した条件設定を引き続き探索する。
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Causes of Carryover |
実験計画に遅延が生じており、動物実験の費用などは次年度に支払うこととなった。
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