2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the aggravation mechanism and new treatment in Pierson syndrome
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19K17297
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
榊原 菜々 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (90814319)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | LAMB2 / Pierson症候群 / スプライシング異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度までに次世代シーケンサー(NGS)を用いた、先天性ネフローゼ症候群や乳児ネフローゼ症候群、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に対する網羅的診断体制により、LAMB2異常症を6例診断した。 また、LAMB2異常症の6症例について遺伝子表現型関連を検討し報告した(Molecular mechanisms determining severity in patients with Pierson syndrome J Hum Genet,65(4):355-362.2020)。ここでは、ミスセンス変異と思われたが実際はスプライシング異常に伴うtruncating変異であったため重症であった例、反対にスプライシング異常を呈すると考えられ、重症が疑われたが、実際はスプライシングへの影響が弱く、正常と異常のスプライシング産物を産生するため軽症であった例など、スプライシング解析により重症度機序を説明しえた。しかしながら、LAMB2蛋白の機能に重要なLNドメイン内のミスセンス変異では、スプライシング異常を来さないにも関わらず、重症な表現型を示す症例もあり、スプライシング異常以外の重症化機序も存在することがわかった。 HGMDに掲載された既報の変異について、両側のミスセンス変異を有するにも関わらず重症の表現型を示した症例については、minigene constructの作成はすでに終えており、スプライシングパターン解析を行っているが、スプライシング異常を認めないという結果であり、スプライシング異常以外の重症化機序の存在が予想された。現在他のミスセンス変異症例についても検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに実施したminigene constructによるスプライシングパターン解析では、当初予測していたようなスプライシング異常を起こさないものもあり、蛋白の機能ドメインや構造などといった、重症化に関連した他の因子があることが明らかになった。そのため現状ではアンチセンス治療薬の対象となるようなモデルの作成までに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
当院で経験したミスセンス変異と思われたが実際はスプライシング異常に伴うtruncating変異であったため重症であった例について、minigene constructモデルを作成し、アンチセンス薬の効果を検証する予定である。また、スプライシング異常を呈すると考えられ、重症が疑われたにもかかわらず、実際は軽症であった既報の症例についても範囲を拡大し、スプライシング異常が疾患の重症度にどの程度寄与するかについて検討を行う予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Molecular mechanisms determining severity in patients with Pierson syndrome2020
Author(s)
S Minamikawa, S Miwa, T Inagaki, K Nishiyama, H Kaito, T Ninchoji, T Yamamura, C Nagano, N Sakakibara, S Ishimori, S Hara, N Yoshikawa, D Hirano, R Harada, R Hamada, N Matsunoshita, M Nagata, Y Shima, K Nakanishi, H Nagase, H Takeda, N Morisada, K Iijima, K Nozu
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Journal Title
Journal of Human Genetics
Volume: 65
Pages: 355-362
DOI
Peer Reviewed