2023 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー疾患発症に対する新生児期のヒストン脱アセチル化酵素阻害能の影響の解明
Project/Area Number |
19K17310
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山崎 晋 順天堂大学, 医学部, 助教 (80771774)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アレルギー / エピジェネティクス / 免疫寛容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アレルギー疾患発症に関与する制御性T細胞のマーカーであるFOXP3発現に関わるエピジェネティクス因子の一端の解明を試みるものである。 先行研究(若手研究B:16K19667)では、新生児期の血清酪酸値とHDAC阻害能が成人に比べ高値であることを発見し、新生児期の免疫寛容が高い理由は、高酪酸血症によって、ヒストン脱アセチル化酵11(HADC11)阻害能が高められた結果、FOXP3の発現が活性化し免疫が寛容系に傾いているという可能性について、小児科学会等で発表をした。 このため本研究では食物アレルギー児での、血中のHDAC11阻害能と酪酸値を測定し、食物アレルギーの児では血清酪酸値やHDAC11活性阻害能が低いため免疫寛容が弱くIgErelatedのアレルギー反応を惹起するのではという仮説を立てた。 仮説の実証のため、食物アレルギー小児3例と健常成人例3例の血清中のアセト酢酸、D-β-hydroxybutyrate (β-OHB)、総ケトン体と血清中のHDAC阻害能(HDAC1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11)についてすでに解析した。 本年度は酪酸によるHDAC阻害能の確認のため、β-OHBを試薬として1mM,10mM,100mMの濃度でHDAC阻害能(HDAC1~11全て)を測定した。100mM濃度下では全HDAC阻害能が100%となり、10mM濃度下ではHDAC6を除く他のHDAC阻害能は20%前後、1mM濃度では各HDAC阻害能は1-4%の結果で酪酸濃度が高いほどHDAC阻害能は高まり酪酸はHDACすべての阻害物質であることは確認された。
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