2020 Fiscal Year Research-status Report
小児がん治療の致死的合併症である肝中心静脈閉塞症候群の病態解明と新規治療法の開発
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19K17323
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
酒井 清祥 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (20735112)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | VOD / 小児がん / 血小板 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は難治疾患であるVODの病態解明と新規治療法の模索である。 VODのNETs、血小板、腸管粘膜障害に着目した考え方は未だ提唱なく独創的であり、新たなVOD機序の概念になり得ると考えている。 抗がん剤投与により腸管粘膜が障害され防御機構が破綻することで、bacterial translocationが引き起こされる。防御層を通過し門脈内に侵入した腸内細菌が全身の網内系で補食される。網内系の前線である肝でも侵入した細菌に対して好中球は自らを破壊してヒストンやクロマチンを放出する事によって細菌をトラップ(捕食)する。これに血小板が活性化されて凝集する事で NETsが形成される。これは生体の合目的反応であるが、好中球から放出されるヒストンやHMGB-1などは広範に血管内皮を障害する。血管内皮の障害は好中球を活性化させ、好中球から放出される好中球エラスターゼによって肝実質は障害を受ける。さらに凝集した血小板から分泌されるthromboxane (TX)-A2 、transforming growth factor (TGF)-β、vascular endothelial growth factor (VEGF)-A、plasminogen activator inhibitor (PAI)-1 などの作用により中心静脈は収縮を生じて類洞内圧および門脈圧の上昇を生じる。それはさらなる腸管浮腫を助長し、腸管粘膜の脆弱化を引き起こす負のサイクルを起こすと仮定される。これによりVODの臨床症状である肝腫大、腹水貯留、体重増加、ビリルビン上昇は一元的に説明可能である。。 本年度はマウスVODモデルとしてすでに確立されているZeng 2013.らによる異種骨髄移植を用いたVODモデルを作成し、今回、我々がVODの新たな機序として考えているNETsの存在を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスモデルの作成並びに検体採取の手技獲得の時間が十分に取ることができず、安定したモデルの作成が困難である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在作成しているマウスVODモデルを確立した後、抗がん剤を用いたVODモデル作成に移行する予定である。抗がん剤によるVODモデルを作成た後好中球エラスターゼ阻害剤及び抗血小板剤を抗がん剤投与時から投与しNETs形成の軽減を行い、VODへの有効性について検討を行う。 1)組織学的検討による評価 肝組織ならびに小腸組織による組織学的検討:肝障害ならびに小腸粘膜障害軽減の確認。 2)分子生物学的検討による評価:肝組織採取を行い(TX)-A2 、(TGF)-β、(VEGF)-A、(PAI)-1等の発現を蛋白レベルで検討。NETsとEPAが抑制された事の証明。 3) 臨床学的検討による評価 :採血により肝酵素、コリンエステラーゼ、ビリルビン値を測定し肝障害を評価。マウス生存率、腹水採取、体重測定によるVOD軽減の評価。 以上を行う。
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Causes of Carryover |
余剰部分を動物モデル作成費用として翌年度分に繰越し計上する
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Severe acute pancreatitis caused by adhesive intestinal obstruction following fundoplication2020
Author(s)
Yuka Ooe , Seisho Sakai , Jun Kinoshita , Isamu Makino , Keishi Nakamura , Tomoharu Miyashita , Hidehiro Tajima , Hiroyuki Takamura , Itasu Ninomiya , Sachio Fushida , Tetsuo Ohta
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Journal Title
JOURNAL OF PEDIATRIC SURGERY CASE REPORTS
Volume: 61
Pages: ー
DOI
Peer Reviewed