2023 Fiscal Year Research-status Report
小児がん治療の致死的合併症である肝中心静脈閉塞症候群の病態解明と新規治療法の開発
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19K17323
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
酒井 清祥 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (20735112)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肝中心静脈閉塞症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は小児の抗癌剤治療の致死的合併症である、肝中心静脈閉塞症を肝のNETsに着目してVODの新たな病態を解明すると共に、その病態から新規治療法を開発することである。VODのNETs、血小板、腸管粘膜障害に着目した考え方は未だ提唱なく独創的であり、新たなVOD機序の概念になり得ると考えている。 当該年度の研究目標は、動物実験を行う環境を整え、マウスを用いて抗がん剤によるVODモデルの作成ならびに、NETsがVODの本態である事の証明を主たる研究とする事である。実際には、臨床的にVODを起こしやすいとされている抗がん性抗生物質であるアクチノマイシンDを投与しVODモデルを作成し、肝組織採取を行ってVODを証明する物である。 アクチノマイシンDを用いたVODのモデルは確立されていない。よってV O Dモデルを作成すべくアクチノマイシンDの至適投与量ならびに期間の検討に難渋してきた。 研究実績の概要としてはマウスにアクチノマイシンDを投与することによる急性期壊死性腸炎のモデルが報告されている。しかし、アクチノマイシンDを用いた急性期壊死性腸炎モデルおいて肝組織の検討は行われておらず、本モデルを応用することによりアクチノマイシンDによるVODモデルの作成が可能であると考え、モデルの作成を行なっている段階である。VODに特異的な組織学的肝障害と臨床的指標を検討し、NETs,血小板との関連を調査している。今後の展望としては本VODモデルを確立し、仮説の証明と仮説に基づいたNETsと血小板に対する製剤を用いることでVODを抑制、制御することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
アクチノマイシンDを用いたVODモデル作成に難渋している。モデルの作成を進めているが、次の研究段階に進めるような段階には到達していない。モデル作成に最適な手技が確立していない。
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Strategy for Future Research Activity |
在推進しているVODモデルの精度を上げ、モデルの作成を確立させることを優先させたいと考えている。具体的にはアクチノマイシンDの投与量は定まったため、犠牲死の至適時期と、それに対する薬剤投与によりV O Dが軽減できるかを検討することである。昨年度は研究へのエフォートが十分に確保できなかった為、本年度は研究のエフォートを確保したいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初の計画通りの研究運用が困難であり、研究の見直しを行なっているため、物品費として計上する。
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Research Products
(2 results)