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2023 Fiscal Year Research-status Report

乳幼児期発症のてんかんにおける社会性発達の病態解明

Research Project

Project/Area Number 19K17329
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

岩谷 祥子  大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 助教 (60724903)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywordsてんかん / 社会性発達 / 事象関連電位 / 自閉スペクトラム症
Outline of Annual Research Achievements

小児期発症のてんかんは、自閉スペクトラム症を高率に合併することが報告されており早期に評価、介入することは重要である。顔課題における事象関連電位(N170 成分)は自閉スペクトラム症のバイオマーカーの候補とされており社会性発達の客観的な指標として有用と考えられる。大阪大学医学部附属病院小児科を受診した乳幼児期発症の0-6歳のてんかんの小児に対して、社会性発達評価装置を用いた視線計測と顔課題に対する事象関連電位、Vineland-II適応行動尺度などを用いた発達評価を実施し、1年後のフォローアップ時(T2)の発達と比較検討した。初回(T1)の顔課題における事象関連電位では9例中8例で両側後側頭部のN170反応が検出できた。脳波異常や病変の存在する部位と同側のN170の潜時は対側よりも遅い傾向で、同定できない症例もあった。T1の右後頭部のN170の潜時は同時期の人の顔を見せた時の目を見る割合と関連を認め、T2の発達指数と負の相関を示した。一方、T1における人の目を見る割合や人と幾何学模様を見せた時の人を見る割合が大きい程、T2における言語社会性領域の発達指数やVineland-II適応行動尺度におけるコミュニケーションのスコアが高かった。てんかん小児において脳波異常がN170反応に影響し、人の顔を見た時に注目する部位とも関連する可能性が考えられた。右後頭部のN170反応や人への注視率がその後のコミュニケーション能力と関連を示し、てんかん治療において社会性発達や認知機能の評価に有用な可能性が考えられた。今後、脳波解析方法を追加し、脳波異常による脳機能や発達結果との関連性をさらに検討していく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

脳波解析方法は確立でき順調に進んでいるが、目標対象者数のリクルートに至っていないため。

Strategy for Future Research Activity

研究参加時とフォローアップ時のデータ解析を進めると同時に、追加の脳波解析も進めていく予定である。

Causes of Carryover

コロナの影響により国際学会への参加ができなかったことや、脳波解析で現在使用しているソフトのバージョンアップにより新規購入が必要なかったことにより、次年度使用額が生じた。次年度は国際学会への参加費や論文の英文校正費用に使用する予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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