2020 Fiscal Year Annual Research Report
The origin of supernumerary ribs focused on rat strains
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19K17339
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
熊本 隆之 奥羽大学, 薬学部, 講師 (00433558)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 過剰肋骨 / ホメオボックス / 系統差 / 催奇形性 / 骨格異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
過剰肋骨は発生毒性試験で胎児に観察される骨格所見であるが、その成因は不明であり安全性評価の課題となっている。これまで我々はSDラット(Sprague-Dawley; Crl:CD(SD))への5FC投与による薬剤誘発性過剰肋骨モデルラットを構築し、ホメオボックス(Hox)遺伝子の関与を報告してきた。さらにin vitro実験により細胞毒性に依らないHoxの直接制御であることを明らかにした。そこで、自然発生性を明らかにするため、過剰肋骨の自然発生が多いラット系統(Wistar hannover; BrlHan:WIST@(GALAS))と少ない系統(SD)をDNAシーケンスを用いた比較検討を試みた。妊娠SD系ラットおよびWistar系ラット各4腹を胎齢13.5日で解剖に供し、胎仔尾部よりゲノムDNAを抽出、特異的プライマーでPCRおよびプライマー除去しプレミックスシーケンスを行った。ターゲット遺伝子はHoxa9, a10の全エキソンおよびそのプロモーター領域とした。結果はClustalW によるマルチプルアライメントを行った。その結果、Hoxa10 exon1, 2および前方領域、Hoxa9 exon 2, 3に顕著な差を認めなかったものの、Hoxa9 exon1およびその前方領域に顕著な差を認めた。特に特定のmiRNAの成熟に不可欠な領域の変異をSDの10%に対しWistar/Hanの45%で見出し、過剰肋骨発現率と一致していた。当該miRNAは骨に特異的に存在、複数のHox遺伝子の発現制御を介した中軸の後方化運命を司る因子である。そのHox群をqPCRを用いて解析したところ、WIの当該領域の未変化群に対し、変異群では全ての検討遺伝子の発現量の増加を認めた。これらが中軸骨格の後方化と関連し、自然発生性の過剰肋骨の成因に関与している可能性が示唆された
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