2021 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンAとステロイド懸濁羊水注入併用気管支結紮による羊胎仔横隔膜ヘルニア治療
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19K17345
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
大林 樹真 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (20835409)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 横隔膜ヘルニア / 胎児治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
羊胎仔の気管支結紮および気管結紮の可否を検討するため、バリウムによる気管・気管支造影を行い、単純レントゲン写真での左右主気管支径と気管径を検討した。横隔膜ヘルニアを認めると、横隔膜ヘルニア側の主気管支が胎生100日、満期ともに細くなっていた。横隔膜へルニアに対して行う胎児治療としての気管支結紮や気管支バルーン閉塞は細径気管支に対して行わないとならず困難と考えられた。気管径は横隔膜ヘルニアとコントロールとの間に差がなく、気管支と比較して比較的安全に治療が行えると思われた。以上より気管支結紮ではなく、気管結紮と気管内薬剤注入を行う方針とした。 しかし新型コロナウイルスの世界的な蔓延によりニュージーランドへの渡航ができなくなり羊胎仔を用いた実験が困難となった。そこで日本国内でウサギ胎仔横隔膜ヘルニアモデルを作製することとした。 既報では胎生21-25日で手術しており、胎生22日に手術をした。肝臓を損傷しないように左開胸による横隔膜ヘルニア作製を試みたが、ウサギ胎仔は肝臓が腫大し肝臓は両葉ともほぼ左右対称で作製が困難であることがわかった。また胎生22日胎仔は肝臓損傷および横隔膜切開をしなくとも胸壁を切開するのみの侵襲で子宮内胎児死亡となってしまうことがわかった。胎生26日では横隔膜ヘルニア作製は成功した。 続いて至適横隔膜ヘルニア作製日数を検討するため、胎生24日に胎児手術をした。右横隔膜ヘルニアを胎仔2羽、左横隔膜ヘルニアを胎仔2羽に作製した。すべての胎仔が生存し、横隔膜ヘルニア門から肝臓が脱出していた。消化管の脱出は認めなかった。以上からウサギ胎仔横隔膜ヘルニアモデルの作製時期は胎生24日が適しており、横隔膜切開の左右による生存率に差を認めなかった。
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