2020 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトヘルペスウイルス6B感染による内側側頭葉硬化症発症の分子メカニズム解明
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19K17346
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
河村 吉紀 藤田医科大学, 医学部, 講師 (30581475)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒトヘルペスウイルス6B / 内側側頭葉硬化症 / 内側側頭葉てんかん / RNA-Seq |
Outline of Annual Research Achievements |
内側側頭葉硬化症(MTS)は内科的治療に抵抗性の難治性てんかんであり、内側側頭葉(海馬および扁桃体)を摘出する外科的治療が有効である。しかしながら、この治療は侵襲性が高く、低侵襲かつ有効な治療が望まれている。 ヒトヘルペスウイルス6B(HHV-6B)は乳幼児の熱性発疹症である突発性発疹の原因ウイルスである。本疾患は一般的には自然軽快し予後良好だが、熱性けいれんあるいは急性脳症などの中枢神経合併症が問題となることがある。その後、本ウイルスは初感染後末梢血単核球や中枢神経系などに潜伏感染し、造血幹細胞移植患者で再活性化し移植後急性辺縁系脳炎の起因病原体となる。 我々はMTS患者の海馬および扁桃体でHHV-6Bの検出率が高いことを先行研究で示した(Kawamura Y, et al. J Infect Dis. 2015)。今回我々はHHV-6B感染のMTSへの影響を明らかにする事を目的に、患者脳(海馬および扁桃体)と健常脳での遺伝子発現の網羅的解析を行った。脳検体からDNAを抽出し、HHV-6BがリアルタイムPCR法によりMTS患者の海馬80検体中22検体、扁桃体30検体中8検体で検出された。これらHHV-6B検出、非検出のMTS脳検体およびHHV-6Bが検出されないことを確認した健常脳検体から各2あるいは3検体を年齢および性を一致させて選択し、次世代シークエンシングによってRNA-Seqを行った。今後、各群での遺伝子発現を比較し、HHV-6B感染が海馬および扁桃体に与える影響を解析する予定である。
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[Journal Article] Hippocampal Atrophy in Pediatric Transplant Recipients with Human Herpesvirus 6B2021
Author(s)
Misa Miyake, Yoshiki Kawamura, Naoko Ishihara, Shigetaka Suzuki, Hiroki Miura, Yoko Sakaguchi, Masaharu Tanaka, Yoshiyuki Takahashi, Seiji Kojima, Hiroshi Toyama, Jun Natsume and Tetsushi Yoshikawa
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Journal Title
Microorganisms
Volume: 9
Pages: 776
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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