2023 Fiscal Year Annual Research Report
Immune escape and exhaustion attributing to development of PTLD
Project/Area Number |
19K17352
|
Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
山田 全毅 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 高度感染症診断部, 医長 (30445316)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | EBV / 小児 / 臓器移植 / 移植後リンパ増殖性疾患 / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の実績は2点あげられる。ひとつは2023年度に引き続きEBV関連リンパ増殖性疾患(EBV-LPD)の患者検体を用いたシングルセル解析の実験手法および解析方法の確立を目指したこと、もう一つは小児固形臓器移植患者におけるT 細胞の疲弊に関する研究結果の論文化である。 本計画は、小児移植患者に診られる慢性EBV感染症が移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)に進展するメカニズムとしてT細胞の疲弊が関与しているという仮説を動物モデルで検証するために立案されたが、当初申請したモデルでは、慢性ウイルス感染によるT細胞疲弊減少の再現が困難であった。このためヒト検体を用いた病態解析の方法を中心に研究を継続した。 2022年度より疾患活動度の異なる患者から得たEBV感染細胞における多様性や特徴を明らかにすべくシングルセルRNAシークエンス(scRNAseq)を行った。またこれと並行してFLOW-FISH(蛍光in-situ hybridizationを併用したフローサイトメトリー)を用いた解析を行い、両者の解析精度を検討したところscRNAseqによるEBV感染細胞の検出感度が非常に低いことがわかった。一方でFLOW-FISHの検出精度を改善することができた。 また本研究の基礎データとなった移植小児検体の免疫形質に関する研究について、次元圧縮の手法を用いた解析を併用し、特に小児心移植患者においてT細胞の疲弊に関する特定の免疫形質が慢性EBV感染に関連していることを示した。この成果はThe American Journal of Transplantation誌に掲載された。その他移植後EBV感染および続発するPTLDに関する文献レビューを行い、その成果はそれぞれ国際誌に掲載された。
|