2019 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive analysis of causative gene in familial congenital heart disease by whole exome analysis
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19K17357
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 英範 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80801662)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 先天性心疾患 / エクソーム解析 / プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
家族性先天性心疾患の2家系における、数人ずつのメンバーに対してエクソーム解析を行った。 心室中隔欠損症の1家系ではエクソーム解析の結果、候補遺伝子を5つに絞ることができた。そのうちの遺伝子X における変異では先天性心疾患が発症することが過去に2報のみ報告されていたため、本家系における原因遺伝子の可能性が高いと判断した。サンガーシーケンスを行い、家系における全メンバーの遺伝子型と表現型が合致することを確認した。なお本家系における変異は、過去に報告されていない新規変異であった。他の4つの候補遺伝子においては、先天性心疾患との関連を示唆する文献は認められなかった。 ウエスタンブロット法、質量分析法を用いて機能解析を行った。遺伝子Xの野生型をクローニングされたベクター(pcDNA3.1)に対して、本家系の変異を導入した。野生型・変異型をそれぞれHEK293細胞にトランスフェクトして蛋白抽出を行い、ウエスタンブロット法で評価した。変異型では、遺伝子Xの下流の蛋白のリン酸化亢進を認め、本家系の変異が機能獲得型変異であることを証明した。本遺伝子の変異と先天性心疾患の関連については、既報では充分に証明されていなかったため、HEK293細胞からの抽出蛋白に対して、質量分析法を用いたリン酸化プロテオーム解析を行ったところ、先天性心疾患に関連する蛋白のリン酸化が統計学的有意に亢進していた。また、本家系における先天性心疾患患者は高率に筋骨格系異常、皮膚異常、成長障害を合併しており、同一遺伝子の異常が原因と考えられたが、上述のリン酸化プロテオーム解析によって、各表現型に関連の強い蛋白が、変異型において統計学的有意なリン酸化亢進が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先天性心疾患の2家系において、エクソーム解析を行って候補遺伝子を抽出し、機能解析を行うことで病因を証明することを計画した。 現時点では2家系中の1家系において機能解析まで完了し、論文投稿準備段階に到達している。 もう一つの家系においては、現在エクソーム解析の結果から候補遺伝子の抽出を試みている段階である。 上記の理由からおおむね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
原因遺伝子を特定した1家系を論文発表する。 もう一つの家系の候補遺伝子を抽出し、機能解析を計画し、実行する。 研究開始以降に、もう1家系、心室中隔欠損症の家系が発生したため、研究の同意を取得し、エクソーム解析を行って原因遺伝子について検討する計画をしている。
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Research Products
(6 results)