2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒト胎盤の網羅的DNAメチル化解析による胎児発育不全の責任遺伝子の同定
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19K17360
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
芦名 満理子 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (50836442)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 抗酸化力 / 胎児発育遅延 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に、FGR児の胎盤サンプルの収集と、FGR児の生下時血清の酸化ストレスおよび抗酸化力の測定に取り組んだ。 胎盤サンプルの収集については、現在までに、在胎週数相当の出生体重-2SD未満の重症FGR児32例(平均在胎週数34.4週、平均出生体重1536.8g、男児14例、女児18例)の胎盤を収集し、-70℃の状態で冷凍保存した。また、電子カルテシステムを用いて、胎盤病理データ、患者背景データを収集し、症例報告書を作成した。 生下時の酸化ストレスおよび抗酸化力の測定については、2017年3月~2018年12月の期間に当院で出生した、出生体重が在胎週数相当の-2SD未満のFGR児16例およびAGA児17例の生下時残余血清を用い、FREE Carrio Duo(WISMERLL)により、酸化ストレス(d-ROM; derivative of reactive oxidative metabolites)、抗酸化力(BAP; biological anti-oxidant potential)を測定し、比較検討した。また、正期産AGA児のd-ROM平均値+2SD(=109.2 U.CARR)を上回った場合を高酸化ストレス状態と定義し、その頻度を比較した。結果は、早産AGA児(n=9)と正期産AGA児(n=8)の比較では、d-ROMに差を認めなかった。FGR児とAGA児の比較では、BAPに差を認めなかったものの、FGR児においてd-ROMが有意に高かった(p=0.03)。高酸化ストレス状態の頻度は、AGA児と比較してFGR児で有意に多かった。以上より、在胎週数の酸化ストレス動態への影響は軽微であり、FGR児はAGA児と比較して、生下時に強い酸化ストレス状態にあると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成31~令和2年に予定していた、胎盤サンプルの収集、および令和3年に予定していたFGR児とAGA児の酸化ストレス測定および臨床データの収集は、各々、概ね終了しているが、胎盤サンプル数が目標症例数である40例には到達していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、胎盤サンプルが目標症例数(40例)に達した段階で、DNA抽出を行い、遺伝子プロモーター領域の網羅的なDNAメチル化解析およびFGR児とAGA児におけるDNAメチル化率の比較検討などの遺伝学的解析を行う。加えて、胎盤サンプルの酸化ストレスおよび抗酸化力を測定し、胎盤のDNAメチル化データと酸化ストレス状態の関連についても検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
胎盤サンプル数が目標症例数である40例に達した段階で、胎盤サンプルからDNAを一括して抽出する予定であったが、本年度は胎盤サンプル数が目標症例数に到達しなかったため、DNA抽出が施行できず、次年度使用額が発生した。胎盤サンプルが目標数に到達次第、DNAの一括抽出を施行予定である。
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Research Products
(12 results)