2021 Fiscal Year Annual Research Report
Distinguishing acute encephalopathy by acute phase using machine lerning and self-organizing map
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19K17362
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
大栗 聖由 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (70791078)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 急性脳症 / 熱成けいれん重積 / 急性期 / 脳波解析 / Phase lag index / Power spectrum analysis |
Outline of Annual Research Achievements |
けいれん重積型急性脳症(AESD)は、発症初期には頭部MRIを含めて診断に特異的な検査所見がないため、熱性けいれん重積(FS)との鑑別が困難である。本研究では、発症早期のAESDとFSの双極誘導における脳波をコンピュータにて定量的に解析し、発症早期における患者個々の鑑別ができる検査法の開発を目的とする。 全国8施設からAESD20例とFS20例の発症後48時間以内のデジタル脳波を解析した(年齢9か月~6歳4か月)。症例ごとに、30秒(1エポック)の脳波を10エポック合計して解析した。解析には、脳波を定量的に解析できるpower spectrum解析と位相差を解析できるphase lag indexを使用した。また、「教師なし学習」を行い自己組織化マップを用いてAESDとFSの自動鑑別マップを作成した。 1.パワースペクトラム解析結果:AESDは、Theta、Alpha、Beta、Gamma周波数帯域においてFSと比較し有意に低値を示した。また、AESDとFS鑑別における感度と特異度は、Beta周波数帯域で感度90%、Alpha周波数帯域で特異度95%となった。 2.Phase lag index: AESDはFSと比較し,周波数成分にかかわらず電極間の機能的結合性(同期性)が有意に上昇していた。 3. 自己組織化マップを用いたAESD診断マップ:AESD症例20例中16例を診断可能であった。また、残り4例はすべて後遺症なしであり、後遺症が認められないFSの中に分類されていた。 発症48時間稲以内のAESDでは,発症後早期で遷延する徐波を認めるFSと比較して速波成分が有意に減少し,電極間の同期性が上昇する傾向であった。画像所見を呈する前のU fiber障害を早期に発見している可能性があり、けいれん重積後に徐波を呈するFSとの鑑別点になりえると考えられた。
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Research Products
(5 results)