2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of neurodevelopmental disorder in neonatal jaundice
Project/Area Number |
19K17363
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
三浦 章子 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (20749832)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | セロトニン伝達異常 / ビリルビン / ケタンセリン / Gunn rat / BIND |
Outline of Annual Research Achievements |
ビリルビン誘発性神経機能障害(Bilirubin Induced Neurological Dysfunction;BIND)は軽微なビリルビン神経毒性障害の症候群であり,精神疾患発症リスクを増大させると考えられている。 BINDのモデルラットであるGunn ratは行動異常として自発活動量の増加が認められる。この行動異常がハロペリドールではなくリスペリドンで改善することから、Gunn ratのセロトニン伝達について詳細に解析したところ、前頭葉のセロトニン濃度が上昇、セロトニンの起始核である縫線核のセロトニン合成酵素(TPH2)濃度が上昇していることが明らかになった。一方、前頭葉、線条体におけるドーパミン伝達には障害が見られなかった。これらの結果を受けて、5HT2A 受容体のアンタゴニストであるケタンセリンを Gunn rat の皮下に投与し、オープンフィールドテストを行ったところ、異常のあった自発活動量や毛づくろい行動、立ち上がり行動が改善した。これらの行動障害はヒトでは多動や焦燥性興奮と対応するため、この行動薬理実験結果は脳内の 5HT2A 受容体を遮断しセロトニン伝達に介入することによって、BINDに見られる行動障害を改善できる可能性を示唆していると考えられた。 今回の研究の結果、BINDのモデルラットであるGunn ratは脳内のセロトニン伝達が過剰になっており,5HT2A受容体を介して多動や焦燥性興奮などの行動障害を引き起こしていることが明らかになった。今後、BIND 由来の精神疾患の治療薬開発において、5HT2A 受容体の遮断が重要な創薬ターゲットになるのではないかと予想されるため、臨床応用可能な類似化合物について引き続き研究を行っている。
|
Remarks |
BIND 由来の精神疾患の治療薬開発において、5HT2A 受容体の遮断が重要な創薬ターゲットになるのではないかと予想されるため、臨床応用可能な化合物について引き続き研究を行っている。
|